親の介護ばかり心配してたけど、自分の介護費用はいくらなの?|40代独身おじさんがFIRE前に考える老後の現実 / FIRE計画の羅針盤

自分の介護費用を考える40代独身男性のアイキャッチ画像。親の介護を心配しながら、自分の介護費用はいくら必要かを考えるテーマを表現している。 FIRE計画の羅針盤

40代になると、親の介護がだんだん他人事ではなくなってきます。
親が要介護になったら誰が面倒を見るのか。施設に入るならいくらかかるのか。仕事をしながら介護できるのか。実家はどうするのか。
独身会社員であれば、自分の生活と親の老後を同時に考えなければならない場面も増えてきます。

ところが、親の介護について考えているうちに、少し嫌なことに気づきます。
「そのうち介護される側になる自分は、いったいいくら必要なんだろう…」。

結婚していなければ、配偶者が介護してくれる前提は置けません。子どもに手伝ってもらうことも想定できない。
FIREを目指して「あと何千万円あれば会社を辞められるか」は何度も計算するのに、70代、80代になった自分の介護費用は、その資産計画にちゃんと入っているのか。

親の介護がFIRE計画へ与える影響とは、似ているようで別の問題です。

▶ 親の介護が来たらFIREはどうなる?|独身40代が先に考えておくべきお金・時間・働き方の現実 / FIRE計画の羅針盤

今回考えたいのは、「独身の自分自身が介護される側になったときのお金」です。

介護費用を調べると、「月9万円」・「総額500万円程度」といった数字がよく出てきます。
ただ、その数字をそのまま独身40代の将来へ当てはめてよいわけではありません。

しかもFIREを考えている人には、もう一つ厄介な問題があります。
自分の介護費用が500万円必要だと言われたら、FIRE資産とは別に500万円を取っておくべきなのか。医療費も数百万円、介護費も数百万円、老人ホームも別枠、住宅修繕も別枠……と、心配事が出てくるたびに資産を積み増していたら、安心は増えるかもしれませんが、会社を辞められる日はどんどん遠ざかります。
反対に、「日本には介護保険があるから自分で用意するお金はゼロ」と考えるのも雑です。

独身おじさんが将来の介護費用を考えるなら、平均額を一つ覚えるよりも、「通常の生活費」、「公的介護保険」、「自分の年金」、「在宅介護と施設介護の違い」、「介護保険ではカバーされない支出」まで分けたうえで、自分のFIRE資産がどこまで耐えられるかを見る方が使いやすそうです。

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結論|「介護用に500万円貯めれば終わり」ではなく、FIRE資産の耐久テストに使う

最初に結論をまとめます。生命保険文化センターが2024年度から実施している単身世帯調査では、過去3年間に家族や親族を介護した経験がある回答者について、一時的にかかった介護費用は平均115万円、月々の介護費用は平均6.7万円、介護期間は平均48.7カ月となっています。調査対象となった介護経験者は208人です。
この3つを単純に組み合わせると、「115万円 + 6.7万円 × 48.7カ月 = 約441万円」となります。

なかなか現実感のある金額ですが、ここでいきなり「独身者は介護費用として441万円必要」と結論づけるのは違います。
この調査は、「単身世帯に住んでいる回答者が家族や親族を介護したときの実績」を尋ねたものです。
「現在40代の独身者本人が将来介護される場合に平均441万円かかる」という調査ではありません。
さらに115万円、6.7万円、48.7カ月はいずれも別々の平均値なので、それを掛け合わせた約441万円も、生命保険文化センターが公表している「平均総介護費」ではなく、ここで資金計画を考えるために行う単純試算です。

それでも、「介護が怖いから何となく1,000万円必要」と考えるより、現時点の実績を使ってFIRE計画を試す材料にはなります。
40代独身の段階では、介護専用口座へ500万円を封印するよりも、「300万円の追加負担ならどうか。500万円ならどうか。800万円ならどうか」と資産計画へ何段階かのショックを与えてみる。
この使い方の方が、遠い将来の介護費用と付き合いやすいと思います。

よく見る「介護費用は月9万円」は、そのまま独身の自分の数字ではない

介護費用を検索すると、「月9万円」という数字を目にすることがあります。
これは根拠のない数字ではありません。生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」のうち、2人以上世帯を対象とした調査では、過去3年間に介護経験がある人が支払った月々の介護費用は平均9.0万円、一時的な費用は平均47.2万円。介護期間は平均55.0カ月となっています。介護を行った場所別では、在宅が月平均5.3万円、施設が13.8万円です。

単純計算すると、「47.2万円 + 9万円 × 55カ月 = 約542万円」になります。
いわゆる「介護には500万円程度かかる」という話は、こうした数字から説明されることがあります。

ところが、2024年度から同じ調査に単身世帯が加わりました。国内の世帯構造の変化を踏まえ、2人以上世帯とは別に全国の単身世帯2,200人を対象として実施されたものです。
そのうち、過去3年間に家族や親族の介護経験があった208人について見ると、数字は少し違います。

項目単身世帯回答者の介護経験データ
一時的な介護費用平均115.0万円
月々の介護費用平均6.7万円
介護期間平均48.7カ月(4年1カ月)
在宅での月額平均3.7万円
施設での月額平均12.5万円

単身世帯では月々の平均額は2人以上世帯より低い一方、一時費用は大きく出ています。
また、介護場所別では在宅と施設でかなり差があります。
ここから「独身なら介護費用が安い」と結論づけることもできません。
そもそも2つの調査で介護されている人の属性や要介護度、介護期間、サービスの使い方などは一様ではありません。
単身世帯調査も、「一人暮らしの高齢者本人が介護を受けた費用」を直接集計したものではありません。

大事なのは、「介護費用には一つの正解がない」ということです。
「月9万円だから9万円」、「独身なら月6.7万円だから6.7万円」と一つの平均値を将来の予算へ固定するより、在宅・施設・介護期間の長期化を分けて考えた方が、FIRE計画には使いやすくなります。

自分の介護費用を試算すると、300万円台から700万円台までかなり幅が出る

単身世帯の調査結果を使って、少し乱暴なのを承知でシミュレーションしてみます。
一時費用115万円と平均介護期間48.7カ月を固定して、月額だけを在宅・全体平均・施設へ変えた場合です。

想定単純試算計算
在宅中心約295万円115万円+3.7万円×48.7カ月
平均月額を使用約441万円115万円+6.7万円×48.7カ月
施設中心約724万円115万円+12.5万円×48.7カ月

在宅と施設では、同じ期間を置いただけでも400万円以上の差になります。
ただし、この表は「独身の介護費用は295万~724万円」という統計ではありません。
一時費用の平均、介護期間の平均、場所別月額の平均という別々の数字を組み合わせた検討用シミュレーションです。

現実には、最初は自宅で介護を受け、途中から施設へ移るケースもあります。
一時費用も住宅改修が必要な人とほとんど必要ない人では大きく違いますし、利用する施設によって負担額も変わります。

介護期間にもかなり幅があります。単身世帯調査では、介護期間「4~10年未満」が26.4%と最も多く、「10年以上」も13.9%あります。平均は48.7カ月ですが、平均4年1カ月で全員の介護が終わるわけではありません。

この点はFIREの資産寿命と似ています。平均寿命までお金があれば大丈夫、とだけ考えると長生きした場合に弱くなります。
介護も「平均4年だから4年分だけ用意すれば大丈夫」と固定すると、長期化した場合に弱くなります。

かといって、「10年以上続くかもしれないから2,000万円を介護専用資金にしよう」と最大リスクばかり積み上げると、今度は40代、50代の自由を削りすぎます。
平均値は答えではなく、「自分の資産計画を揺らしてみるための基準点」くらいに扱うのがちょうどよさそうです。

公的介護保険があるので、介護サービスの総額を自分一人で払うわけではない

介護費用を考えるとき、忘れてはいけないのが「公的介護保険」です。
日本では40歳になると介護保険の被保険者になります。65歳以上は要介護・要支援認定を受ければ介護サービスの対象となり、40~64歳では、初老期の認知症や脳血管疾患など制度上定められた特定疾病によって要介護・要支援状態になった場合が対象です。
介護保険サービスを利用した場合、本人が支払うのは原則としてサービス費用の1割です。一定以上の所得がある場合は2割または3割となります。

在宅の居宅サービスには、要介護度に応じた1カ月当たりの支給限度額も設定されています。
現在の公表額では、要介護1で16万7,650円、要介護5では36万2,170円です。
限度額内の利用なら1~3割負担となりますが、限度額を超えて利用した分は原則として全額自己負担となります。

さらに、対象となる介護サービスの自己負担額が一定額を超えた場合には「高額介護サービス費」があります。
市区町村民税課税世帯で一定の高所得層に該当しない場合、現在の上限は月4万4,400円。所得区分によっては2万4,600円などの区分がある一方、高所得層では9万3,000円、14万100円となる場合もあります。

これだけを見ると、「それなら介護になっても月4万4,400円までなのでは?」と思います。
残念ながら、そう単純ではありません。高額介護サービス費の対象になるのは介護保険サービスの自己負担部分が中心で、「食費、居住費、福祉用具購入費など対象外となる費用」があります。

公的介護保険は非常に大きなセーフティネットです。
だから「介護サービスの総額を全部自分で現金準備する」という考え方も違います。
一方で、「介護保険がある = 自分の介護費用はほとんど不要」でもありません。
この中間をどう見積もるかが、自分の介護費用を考えるときのポイントになります。

施設介護では「介護費」だけでなく、家賃と食費も一緒に動く

施設介護になると、支出の見方がさらにややこしくなります。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、要介護5の人が特別養護老人ホームを利用する例として、1割負担の場合、多床室では施設サービス費・居住費・食費・日常生活費を合わせて月約10万7,000円、ユニット型個室では約14万4,000円という目安が示されています。

ここで注目したいのは、請求される金額の中に「居住費と食費が入っていること」です。
FIRE資産を計算するとき、月20万円で暮らす前提にしていたとします。その20万円には、すでに家賃、食費、水道光熱費などが含まれているはずです。
それなのに介護施設へ入った場合、「生活費20万円 + 施設費14万円 = 毎月34万円必要」と単純に足してしまうと、食費や住居費を二重に数える可能性があります。

施設へ移って賃貸住宅を退去すれば、今までの家賃や光熱費の多くはなくなります。
持ち家を残す場合は固定資産税、管理費、修繕費などが残るかもしれませんが、それでも「現在の生活費が丸ごと残ったうえで施設費が全部追加される」とは限りません。
逆に在宅介護では、現在の住居費や食費を払いながら、訪問介護、通所サービス、福祉用具などの自己負担が上乗せされる形になりやすいです。

つまり、自分の介護費用を考えるときに本当に知りたいのは、介護サービスに月いくら払うかだけではなく、「介護前の総生活費から介護後の総支出がどれだけ増えるか」です。
この考え方なら、「老人ホーム代が月15万円だから、生活費に15万円上乗せ」といった過大な見積もりを避けやすくなります。

FIRE資産に介護費500万円を丸ごと上乗せすると「安心資産の二重計上」になりやすい

ここからがFIRE目線で一番重要なところです。たとえば、月20万円で暮らす人が4%ルールを単純に当てはめれば、年間生活費240万円×25倍で6,000万円という数字が出ます。
そこへ、介護費500万円。医療費300万円。施設入居用1,000万円。住宅修繕300万円。全部別枠で上乗せしていけば、FIRE必要資産はどんどん大きくなります。

もちろん、十分なお金を持って退職すること自体は悪くありません。
問題は、「同じ将来支出を何度も別の名前で数えていないか」です。

6,000万円が将来の通常生活費を賄う資産なら、その中には65歳以降の食費や住居費も入っています。
施設へ移った後の食費・居住費をさらに全額上乗せすれば、その部分は二重計上になります。
一方、介護によって新しく発生する住宅改修費、介護サービスの自己負担、介護保険外サービス、今までより高くなる施設費などは追加リスクです。整理すると、こんな形になります。

状態FIRE計画で見る支出
元気な老後通常の生活費+税・社会保険料+予備費
在宅介護通常生活費+介護によって増える自己負担や一時費用
施設介護施設での総支出+残る自宅関連費-不要になる従来支出
介護長期化通常想定を超えた期間分の追加支出
判断能力低下財産管理・契約支援など、介護費とは別の備え

この考え方なら、「介護費用500万円を別に持っていなければFIREしてはいけない」という話にはなりません。
見るべきなのは、「500万円程度の追加支出が将来発生しても、資産・年金・通常生活費を含めた計画全体が持つか」です。

FIREでは「必要資産はいくら」という一つの数字を作りたくなりますが、30年、40年先まで支出を完全に予想することはできません。
そのため、介護費用についても一点予測より、「計画がどこまで外れても生き残れるか」を見る方が現実的です。

独身だから介護費が必ず高くなるわけではない。でも「家族がやる仕事」は考えておきたい

独身老後について調べると、「家族がいないから何でもお金で解決しなければならない」という話を見かけます。
確かに、独身にはその面があります。配偶者や子どもがいれば必ず介護してもらえるわけではありませんが、病院との連絡、買い物、行政手続き、施設探し、荷物の整理などを家族が担うケースはあります。
独身なら、その一部を友人、親族、地域の制度、介護サービス、民間サービスへ頼る場面が増える可能性があります。

ただし、「独身だから介護費が必ず○割高くなる」といった数字までは現在の資料から言えません。
先ほどの単身世帯調査でも、介護経験者の月々の平均介護費用は6.7万円で、2人以上世帯の9.0万円を下回っています。単身世帯だから介護費が自動的に高くなる、という単純な関係は確認できません。

むしろ独身で考えておきたいのは、お金の額とは別に「誰が動くのか」という問題です。
資産5,000万円があっても、自分で施設を探せなくなれば誰かの支援が必要です。
要介護認定の申請、ケアプラン、契約、金融機関や行政の手続きも、体力や判断力が落ちれば一人では難しくなるかもしれません。
独身FIREの場合、「介護資金を作ることと、その資金を必要なときに使える仕組みを残すことは別」という点だけは覚えておきたいところです。

では独身おじさんはいくら備える?「300・500・800万円」で試してみる

結局、一番知りたいのは「自分の介護費用として、いくら見込んでおけばいいのか」です。
正解はありません。それでも何も数字を置かないとFIRE計画へ反映できないので、私は「介護専用貯金の推奨額」ではなく、「資産計画のストレステスト」として3段階くらい持っておくのが使いやすいと思います。

追加介護費の想定FIRE計画で確認すること
300万円在宅中心など比較的負担が軽いケースでも資産計画に余裕があるか
500万円現在の介護費実績から見ても一つの中間シナリオとして耐えられるか
800万円施設利用や介護長期化など負担が大きくなっても計画を維持できるか

300万円、500万円、800万円に特別な制度上の意味はありません。
500万円を推奨している公的機関があるわけでもなく、800万円あれば介護費が必ず足りるという意味でもありません。

先ほどの単純試算が在宅中心で約295万円、平均月額で約441万円、施設中心で約724万円だったため、その周辺に分かりやすい金額を置いて「FIRE計画を壊してみるためのテスト値」にしているだけです。

たとえば退職時点で5,000万円持っていたとして、500万円の支出が追加された瞬間に生活計画が成立しなくなるのであれば、問題は介護費用だけではなく、そもそものFIRE計画に余白が少ない可能性があります。

反対に、年金受給開始後に500万円程度の臨時支出が起きても資産寿命へ大きな影響がないなら、40代の今から500万円を「絶対に使ってはいけない介護専用現金」にする必要性は下がります。

介護費用を、「別口座にいくら貯めるか」ではなく「いくら失っても計画を続けられるか」で考える。
この発想に変えると、老後の不安を全部別枠資金として積み上げる必要がなくなります。

介護費500万円を40代から全部現金で持っておく必要もない

次に出てくる疑問が、「介護用のお金は現金で持っておいた方がいいのか」です。
自分の介護が来年始まるなら、株式100%で介護費を準備するのはかなり怖い。
施設へ入る必要が出た日に相場が暴落していても、「株価が戻るまで3年待ちます」とはいきません。
一方、40代で自分の介護が数十年先かもしれない人が、500万円を普通預金へ置いて30年間触らないとなれば、物価上昇や資産形成の機会も考えたくなります。

だから介護資金は、40代から一生同じ形で持つより、「介護が現実に近づくにつれて使いやすい資産へ移していく」という考え方もあります。

40代では老後資産全体の中で介護リスクをストレステストする。
退職するときには、その時点の資産残高、年金見込み、公的介護保険、住居をもう一度確認する。
その後、60代、70代と年齢が上がり、健康状態や介護の可能性が具体的になってきたら、近い将来に使う可能性があるお金を値動きの大きい資産だけに頼らないよう調整する。

FIRE計画は、一度作ったら死ぬまで変更禁止の契約書ではありません。
介護制度も、物価も、住居も、自分自身の健康も変わります。
介護費用も、その都度更新する長期計画の一部くらいに考えた方が自然です。

民間の介護保険は「独身だから必須」ではない

介護費用が数百万円になる可能性を知ると、「やっぱり民間の介護保険へ入った方がいいのでは」と思うかもしれません。
ただ、ここも独身だから全員必要とは限りません。保険は、発生すると自分の資産だけでは耐えにくいリスクを、保険料を払って外へ移すための仕組みです。

数百万円の介護費用が発生しても老後資産から十分吸収できる人と、同じ支出で生活資金が大きく減ってしまう人では、民間介護保険の意味が違います。
また、「介護保険」と名前がついていても、どんな状態になれば給付されるのか、一時金なのか年金なのか、給付期間はどうなっているかなどは商品によって異なります。

だから、「介護が怖いからとりあえず加入する」よりも、「自分の資産でどこまで吸収できるかを確認し、それでも避けたいリスクだけ保険で補う」という順番の方が整理しやすいと思います。

独身40代の場合、扶養家族向けの死亡保障はそれほど必要なくても、自分自身が長く生きたときの医療・介護・生活費の方が気になる人もいます。だからこそ、現在加入している保障を一度棚卸しする意味はあります。ただし、介護不安を煽って高額な保険へ入る必要があるという話ではありません。

40代の今は「介護費を確定する」より、自分の5つの数字を持っておく

40代から自分の80代の介護費を正確に当てることはできません。

物価も介護報酬も変わりますし、どこに住んでいるかも分かりません。元気に自宅で暮らしているかもしれないし、比較的早い段階から支援が必要になるかもしれない。

だから今の段階で「自分の介護費は441万円」と確定する必要はありません。
その代わり、次の5つは分かるようにしておくと、将来の見直しがかなり楽になります。

確認しておきたい数字理由
現在の月間生活費介護になったとき、通常生活からいくら増えるか比較する基準になる
将来の年金見込み介護期にも入る可能性が高い固定収入を確認できる
将来の住居費賃貸・持ち家・施設で介護費の見え方が大きく変わる
退職時に残したい金融資産300万・500万・800万円の追加支出への耐久力を確認できる
毎年使える生活予備費介護だけを別枠化せず、突発支出を吸収できるか確認できる

40代ではまず、自分のFIRE計画が500万円前後の追加支出に耐えられるかを見る。
退職する時点では、その時の介護制度と自分の年金見込み、住居、資産残高を使ってもう一度計算する。
65歳を過ぎれば健康状態や生活環境もかなり具体的になるので、必要な現金の厚みも調整しやすくなります。

さらに年齢を重ねて介護が現実味を帯びてきたら、地域包括支援センターや市区町村など、実際に利用する可能性がある制度へつながればいいです。
介護保険サービスを利用する際には市区町村への要介護認定申請が入口となり、認定後は要介護度に応じてケアプランを作成してサービス利用へ進みます。

つまり、40代の今から80代の請求書を完璧に予測しなくていいです。
「今は、いくらになってもある程度耐えられる土台を作っておく」、この方が、介護費用との距離感として現実的です。

老後資金や介護費、年金、資産運用は、別々に考えるより家計全体で整理した方が見えやすくなります。
自分だけでは整理しにくい場合は、無料のマネーセミナーなどで基礎から確認してみる方法もあります。

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お金を貯めるだけでなく、「そのお金を使える状態」も残しておく

独身老後では、もう一つだけ無視しにくい問題があります。
資産が十分残っていても、本人が自分で手続きをできるとは限らないということです。
年齢を重ねれば、認知機能だけでなく、視力、聴力、体力、移動能力なども変わります。施設を比較する、書類を読む、契約をする、銀行や役所へ行くといった普通の作業が大変になる可能性があります。

だから独身おじさんの介護準備は、「介護費用を準備すること」だけで完成ではありません。
資産や保険の場所が分かるようにしておく。緊急時の連絡先を整理する。自分の希望を最低限残しておく。必要になれば、公的制度や専門家を使えるよう相談先を知っておく。これだけでも意味があります。

成年後見や身元保証サービスを40代のうちから片っ端から契約する、という話ではありません。
むしろ将来の制度変更やサービス内容もあるので、今すぐ何でも契約するより、「自分が動けなくなった場合もあるという点をFIRE計画から消さないこと」の方が大切です。

資産形成中は証券口座の評価額ばかり見ます。でも老後になると、「お金がある」だけでなく「必要なときにお金を使える」ことも資産の一部になってきます。

結論|親の介護を考え始めたら、その次に「将来の自分」も一度だけ計算しておく

40代になると、まず現実味を持ってくるのは親の介護です。
自分の介護はまだ何十年も先に見えます。でも独身でFIREを目指すなら、自分自身が介護される側になったときの費用も、一度くらいは資産計画へ入れておいた方が安心です。

2024年度の単身世帯調査では、家族や親族を介護した経験がある回答者について、一時的な介護費用は平均115万円、月額は平均6.7万円、介護期間は平均48.7カ月でした。在宅では月平均3.7万円、施設では12.5万円と大きな差があります。
これらを単純に掛け合わせれば、約441万円という数字も出ます。
ただ、答えは、「独身おじさんは介護用に441万円貯めれば安心」ではありません。

この統計は未来の自分自身の介護費を直接測ったものではない。介護期間は10年以上になる場合もある。在宅か施設かで負担は変わる。
そして公的介護保険によって介護サービスのすべてを自費で負担するわけでもありません。
施設へ入れば、従来の家賃や食費と施設費の一部が入れ替わる可能性もあります。

だからFIREを目指す40代なら、介護費500万円を別口座へ積んで終了とするより、「300万円、500万円、800万円の追加支出が起きても、自分の資産計画はまだ成立するか確認しておく」、私はこのくらいの考え方が使いやすいと思います。

500万円の臨時支出でFIRE計画が崩壊するなら、介護費だけでなく計画全体の余裕を見直す。
500万円を使っても年金と残った資産で十分生活できるなら、40代から介護資金を完全に別枠化する必要は薄くなる。

もちろん、将来の介護費用は誰にも正確には分かりません。だからこそ、今決めた介護予算を30年間守り続けるのではなく、退職時、年金開始時、健康状態が変わったときなどに更新していく。

FIREも介護も、最初から未来を全部当てる必要はありません。
「予想が外れたときに修正できる余白を残しておく」ことが大切です。
親の介護ばかり心配していた独身おじさんが、自分自身の介護について考えるなら、そのくらいの備え方から始めるのがちょうどよさそうです。

こちらの記事もあわせてどうぞ

▶ 40代独身の老後資金はいくら必要?|45歳から考える現実ライン / FIRE計画の羅針盤
・介護費だけでなく、年金や日常生活費まで含めて老後資金全体を確認したいときにつながります。

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・介護費ではなく、実際に施設へ入る場合の住まい・資産・契約の問題を確認したい方に。

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▶ 親の介護が来たらFIREはどうなる?|独身40代が先に考えておくべきお金・時間・働き方の現実 / FIRE計画の羅針盤
自分が介護される場合ではなく、親の介護がFIRE計画へ与える影響を確認したい方に。

※参考にした主な一次・公的情報
・公益財団法人 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
・生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」
・公益財団法人 生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
・厚生労働省「介護サービス情報公表システム 介護保険とは」
・厚生労働省「介護サービス情報公表システム サービスにかかる利用料」
※本記事は2026年10月時点で確認できる公表情報をもとに、40代独身が将来の自分自身の介護費用を考えるための一般的な判断材料を整理したものです。実際の介護費用は、要介護度、介護期間、利用するサービス、所得、資産、住居形態、地域、施設等によって大きく異なります。
※本文中の約295万円、約441万円、約724万円は、生命保険文化センターが公表する一時費用、月額費用、介護期間などの別々の平均値を組み合わせた独自の単純試算です。公的機関が示す平均総介護費や推奨準備額ではありません。
※本文中の300万円・500万円・800万円は、FIRE計画が追加支出にどの程度耐えられるかを確認するためのシナリオ例です。これらの金額を貯蓄、投資、保険等で準備することを推奨するものではなく、将来必要となる介護費用を保証するものでもありません。
※介護保険制度、利用者負担割合、高額介護サービス費、施設の食費・居住費その他の制度は今後変更される可能性があります。実際に介護が必要になった場合は、市区町村、地域包括支援センター、厚生労働省等の最新情報をご確認ください。
※資産運用には元本割れの可能性があります。また、民間の介護保険・医療保険等は商品によって保障内容や給付条件が異なります。実際の資産運用、保険契約、FIRE・退職等の判断は、ご自身の資産状況、生活費、健康状態等に応じて行ってください。

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