日本で、長く続いてきた低金利時代が変わり始めています。
少し前まで、銀行預金にお金を置いても、ほとんど増えませんでした。
普通預金の利息を見ても、もはや何かの記念品かと思うくらいの存在感。
通帳に入った利息を見て、「よし、これでFIREが近づいた」と思う人は、さすがにほとんどいなかったはずです。
その一方で、住宅ローンは低金利が当たり前でした。
変動金利は低い。固定金利も歴史的に見れば低い。
借りる側にとっては、かなり有利な時代が長く続いていました。
だから、資産形成の世界では、こういう考え方がかなり広がっていました。
- 預金だけでは増えない
- 現金はインフレに負ける
- 銀行に置いておくより、NISAで投資した方がいい
- オルカンやS&P500に長期投資するべき
- 債券や国債は地味すぎる
- 住宅ローンは低金利だから、無理に繰上返済しなくてもいい
これは、低金利時代のかなり強い常識でした。
もちろん、この考え方には今でも意味があります。
物価が上がる時代に、すべてを現金で持つのはリスクがあります。
預金だけでは、FIREに必要な資産形成スピードに届きにくいです。
40代独身がFIREを目指すなら、新NISA、投資信託、ETF、株式などを使って資産を増やす発想はかなり重要です。
ただし、2026年の日本では、少し空気が変わってきました。
日銀は2025年12月に政策金利を0.75%程度へ引き上げました。これは、長く続いた超低金利・ゼロ金利的な感覚から見ると、かなり大きな変化です。三菱UFJ銀行も2026年の記事で「金利のある世界」という表現を使い、住宅ローン金利への影響を解説しています。
つまり、日本でもいよいよ、「利上げ時代」、あるいは「金利のある世界」を前提に、お金の常識を見直す必要が出てきたということです。
これは、FIREを目指す40代独身にとって、かなり大きなテーマです。
なぜならFIREは、会社員として毎月給料を受け取り続ける人生から、資産・現金・取り崩し・運用収益で生活を支える人生へ移っていく計画だからです。
金利が変われば、預金の意味も変わります。住宅ローンの重さも変わります。個人向け国債の見え方も変わります。株式投資の前提も変わります。退職前後にどれくらい安全資金を持つべきかも変わります。
つまり、利上げ時代は、単に「銀行の利息が少し増える」という話ではありません。
「お金を借りる人、預ける人、投資する人、会社を辞めたい人、FIREを目指す人、すべてに関係する時代の変化」です。
この記事では、利上げ時代にFIRE戦略はどう変わるのか、預金金利・住宅ローン・個人向け国債・株式投資・生活防衛資金の考え方を、40代独身の現実目線で整理していきます。
なお、この記事は特定の金融商品、住宅ローン、預金商品、債券、投資信託の購入を推奨するものではありません。金利、為替、株価、債券価格、住宅ローン金利は変動します。実際の判断は、金融機関の公式情報や自分の家計状況を確認したうえで行ってください。
まず結論|利上げ時代は「預金は負け」「借金は軽い」という常識を変える
最初に結論から言います。「利上げ時代は、FIREにとって単純な逆風ではありません」。
ただし、「低金利時代の常識をそのまま持ち込むと危ない時代」です。
低金利時代には、預金はほとんど増えませんでした。
だから、現金を持ちすぎることは機会損失だと考えられました。
また、住宅ローン金利も低かったため、借入コストはかなり軽く見られていました。
低金利で借りられるなら、無理に繰上返済せず、余剰資金は投資に回すという考え方もありました。
しかし、利上げ時代になると、この前提が少しずつ変わります。
預金や国債など、守りの資産にも少し利回りがつき始めます。
一方で、住宅ローンや借入は、金利上昇によって負担が増える可能性があります。
株式市場でも、金利上昇は成長株やREITなどに影響を与えることがあります。
つまり、利上げ時代は、こういう時代です。
| 項目 | 低金利時代の常識 | 利上げ時代の見直しポイント |
|---|---|---|
| 預金 | 置いても増えない | 待機資金・生活防衛資金としての意味が少し増す |
| 住宅ローン | 借入コストが軽い | 変動金利・固定金利の上昇リスクを見る必要がある |
| 個人向け国債 | 地味で魅力が薄い | 変動10年などが守り資産の候補になりやすい |
| 株式投資 | リスク資産に回すほど効率的 | 金利上昇で高PER銘柄やREITの見方が変わる |
| FIRE資金 | 投資に寄せた方が効率的 | 退職前後は安全資金の厚みも重要になる |
| 借入 | 低金利だから使いやすい | 利払い負担と固定費化に注意が必要 |
ここで大事なのは、利上げ時代だから投資をやめる、という話ではないことです。
FIREを目指すなら、長期投資は依然として重要です。
新NISAや低コスト投資信託、世界分散投資の意味が消えるわけではありません。
ただし、利上げ時代には、「お金の役割分担」を見直す必要があります。
すぐ使うお金。数年以内に使うお金。退職直後の生活を守るお金。暴落時に売らずに済むお金。10年以上かけて増やすお金。住宅ローンや借入として返していくお金。これらを全部同じように考えると、FIRE計画は不安定になります。
利上げ時代のFIRE戦略とは、極端に預金へ逃げることでも、株式に全振りし続けることでもありません。
預金・個人向け国債・債券・株式・NISA・住宅ローンを、
金利のある世界に合わせて役割分担し直すこと
これが、この記事で言いたいことです。
利上げ時代とは何か
利上げ時代とは、中央銀行が政策金利を引き上げ、世の中の金利が上がりやすくなる時代のことです。
日本では長い間、超低金利の時代が続いてきました。
- 預金しても増えない
- 住宅ローン金利は低い
- 企業は低コストでお金を借りられる
- 現金を持っていても利息はほぼつかない
- 資産形成するなら投資が必要
こういう感覚がかなり定着していました。
しかし、物価上昇、賃上げ、円安、金融政策の正常化などを背景に、日本でも金利が動き始めています。
日銀の2026年4月の展望レポートでは、消費者物価の前年比について、2026年度は2%台後半、2027年度は2%台前半、2028年度は2%程度と予想されています。また、原油価格上昇の影響などにより、2026年度の物価見通しは前回から大幅に上振れているとされています。
つまり、物価が上がり、金利もある世界になってくると、これまでのように「とりあえず低金利だから」、「預金は意味がないから」、「借入は軽いから」という感覚だけでは判断しにくくなります。
利上げ時代とは、単に銀行の金利が上がる時代ではありません。
お金の置き場所。借入の重さ。投資商品の魅力。住宅ローンの返済。FIRE後の取り崩し。こうしたものが、少しずつ変わる時代です。
なぜFIREを目指す人ほど利上げ時代を無視できないのか
FIREを目指す人は、普通の会社員よりも金利変化に敏感であるべきです。
なぜならFIREは、会社員としての給与収入から、資産・現金・運用収益・取り崩しで生活を支える状態へ移ることだからです。
会社員であれば、多少金利が変わっても、毎月の給料があります。
ボーナスもあるかもしれません。厚生年金や健康保険もあります。
住宅ローンが多少上がっても、給与収入で吸収できる可能性があります。
でもFIRE後は違います。給料がない。ボーナスもない。生活費は資産から出す。税金や社会保険料も自分で払う。暴落時でも生活費は必要。金利や物価の変化が、生活の安定に直接響く。
だから、利上げ時代の変化はFIRE計画にかなり関係します。
| 立場 | 利上げ時代に確認したいこと |
|---|---|
| FIREを目指している会社員 | 預金・投資・住宅ローン・NISAのバランス |
| FIRE直前の人 | 退職後の生活防衛資金と安全資産の置き場 |
| FIRE後の人 | 取り崩し順序、インフレ、金利、暴落時の現金確保 |
| 住宅ローンありの人 | 返済額上昇リスクと繰上返済の判断 |
| 賃貸派の人 | 家賃上昇・不動産市場・生活費上振れへの備え |
FIREを目指す人にとって、金利は遠い金融市場の話ではありません。
自分の生活費。自分の資産配分。自分の退職時期。自分の住まい。自分の安心感。全部につながっています。
預金金利はどう変わるのか
低金利時代には、預金は「増えないお金」の代表でした。
- 銀行に100万円を置いても、ほとんど利息がつかない
- 定期預金にしても、大きく増えるわけではない
- だから、預金は生活防衛資金として最低限にして、残りは投資へ回す
この考え方は、かなり合理的でした。
ただ、利上げ時代には、預金金利も少しずつ見直されます。
もちろん、預金金利が上がったからといって、預金だけでFIREできるわけではありません。
インフレ率の方が高ければ、実質的なお金の価値は減っていく可能性があります。
それでも、預金の役割は少し変わります。
| 預金の役割 | 低金利時代 | 利上げ時代 |
|---|---|---|
| 生活防衛資金 | 必要だが増えない | 必要資金に少し利息がつく可能性 |
| 待機資金 | 機会損失感が強い | 暴落時の買付余力として持ちやすくなる |
| 退職直後の資金 | 安全だが効率は低い | 安全性と一定の利息を両立しやすくなる |
| 長期資産形成 | 主力にはなりにくい | それでも主力にはなりにくい |
ここで大事なのは、「預金を資産形成の主役にしない」ことです。
預金は、FIRE資産を大きく増やすエンジンではありません。
でも、利上げ時代には、預金は「何も生まないお金」から、「生活を守りながら少し利息を生むお金」へ近づいていきます。
FIRE目線では、これは意外と大きいです。退職直後の生活費。暴落時に投資信託を売らずに済むお金。税金や社会保険料の支払い。急な医療費。親の介護や引っ越し費用。こうしたお金は、値動きのある投資商品ではなく、すぐ使える形で置いておく意味があります。
低金利時代には、預金は「寝ているだけのお金」に見えました。
でも利上げ時代には、預金は「待てる力」になります。
住宅ローンは利上げ時代にどう変わるのか
利上げ時代で最も分かりやすく影響が出るのが「住宅ローン」です。
特に、変動金利で借りている人、これから住宅を買う人、FIRE前に住宅ローンをどうするか迷っている人にとっては重要です。
三菱UFJ銀行は、日銀の利上げを踏まえ、「金利のある世界」で住宅ローン金利がどうなるかを解説しています。固定金利は長期金利、変動金利は短期金利の影響を受けるため、金融政策の変化は住宅ローンに関係します。
また、フラット35の金利については、2026年に最低金利が2%台に乗り、4月には2.49%になったとする解説もあります。
FIREを目指す人にとって、住宅ローンは単なる借金ではありません。
それは、「退職後の自由度を左右する固定費」です。
住宅ローンが重いと、FIRE後も毎月の返済に追われます。
金利上昇で返済負担が増えると、生活費の見積もりが狂います。
退職後にローンを組もうとしても、会社員の信用がなくなり、審査が難しくなる可能性もあります。
| 住宅ローンの状態 | FIRE目線での注意点 |
|---|---|
| 変動金利で借入中 | 返済額上昇リスクを確認する |
| 固定金利で借入中 | 直接影響は限定的でも借換え時に注意する |
| これから住宅購入 | 低金利時代の返済計画をそのまま使わない |
| 賃貸派 | 直接のローン影響はないが、家賃や住居費上昇に注意する |
| FIRE前に住宅購入を検討中 | 退職後の信用・固定費・流動性を慎重に見る |
利上げ時代には、「低金利だから借りておけばいい」という考え方は少し危うくなります。
もちろん、住宅ローンを全否定する必要はありません。
住宅は生活の土台です。持ち家にも安心感があります。賃貸にも家賃上昇や更新の不安があります。
ただし、FIREを目指すなら、住宅ローンは「自由を買う借金なのか、自由を縛る借金なのか」を考える必要があります。
個人向け国債は見直す価値があるのか
利上げ時代に存在感が増しやすいのが、「個人向け国債」です。
特に「変動10年」は、金利上昇局面で注目されやすい商品です。
財務省が公表した2026年4月発行条件では、個人向け国債「変動10年」第193回債の初回適用利率は年率1.55%、税引後1.2351175%でした。適用利率は「基準金利×0.66」で計算され、半年ごとに見直されます。
低金利時代を知っている人からすると、個人向け国債の見え方はかなり変わります。
以前なら、地味。増えない。面白くない。投資信託でいい。という感覚だったかもしれません。
でも、利上げ時代には、個人向け国債は「完全に無視してよい商品」ではなくなってきます。
| 個人向け国債の特徴 | FIRE目線での見方 |
|---|---|
| 国が発行する債券 | 安全資産寄りとして考えやすい |
| 変動10年は半年ごとに利率見直し | 金利上昇局面と相性がある |
| 最低金利保証がある | 極端な低金利時にも下限がある |
| 原則1年経過後に中途換金可能 | 預金よりは劣るが流動性もある |
| 大きく増える商品ではない | FIRE資産の守り部分として検討しやすい |
もちろん、個人向け国債にも注意点はあります。
- 株式のように大きく増えるわけではありません
- インフレ率が高ければ、実質的な購買力は目減りする可能性があります
- 1年未満は原則として中途換金できません
- 中途換金時には、直前2回分の利子相当額が差し引かれる仕組みがあります
それでも、FIRE直前・FIRE後の守り資産としては、検討する価値が出てきます。
特に、「退職後すぐに使うわけではないけれど、株式100%で持つには怖いお金」、こういう資金の置き場所として、個人向け国債は選択肢になり得ます。
株式投資は利上げ時代にどう見るべきか
利上げ時代でも、「株式投資」は重要です。
FIREを目指すなら、長期的な資産形成に株式や投資信託を使う考え方は変わりません。
ただし、利上げ時代には、株式市場の見方が少し変わります。
- 金利が上がると、企業の借入コストが上がります
- 将来の利益を現在価値に割り引くときの前提も変わります
- 高PERの成長株には逆風になる場面があります
- 不動産やREITにも影響が出る可能性があります
- 一方で、金融株など金利上昇が追い風になりやすい業種もあります
| 資産・業種 | 利上げ時代の見方 |
|---|---|
| 成長株 | 将来利益への期待が高いほど金利上昇に敏感になりやすい |
| 高配当株 | 利回りの魅力が金利と比較されやすい |
| REIT | 借入コスト上昇や利回り比較に注意が必要 |
| 金融株 | 利ざや改善が追い風になる場合がある |
| 債券 | 金利上昇局面では価格変動に注意。ただし利回り妙味は増す |
| インデックス投資 | 短期の金利変動より長期分散が重要 |
ここで大事なのは、利上げ時代だから株式投資をやめる、という話ではないことです。
むしろ、株式投資はFIRE資産形成の中心であり続ける可能性が高いです。
ただし、低金利時代のように、とにかくリスク資産に入れておけばいい。現金は無駄。債券はいらない。安全資産は意味がない。という感覚は見直した方がいい。
利上げ時代は、株式・預金・国債・債券の役割分担を考える時代です。
FIRE直前の人ほど「守りの利回り」を見るべき
利上げ時代に特に影響を受けるのは、「FIRE直前の人」です。
20代や30代で、まだ投資期間が長い人なら、多少の金利変動は長期で吸収できるかもしれません。
しかし、40代後半から50代でFIREを考えている人は違います。
- 退職後に取り崩しが始まる
- 暴落時に給料で買い増しできない
- 生活費を資産から出す必要がある
- 医療費や親の介護も見えてくる
- 住宅ローンや家賃も重い
この段階では、「増やす」だけでなく「守る」が重要になります。
| FIREまでの距離 | 資産運用の考え方 |
|---|---|
| 20年以上 | 株式中心で長期成長を狙いやすい |
| 10〜15年 | 株式を中心にしつつ、現金・債券も意識する |
| 5年以内 | 退職後の生活費・安全資産・現金を厚めに見る |
| FIRE後 | 取り崩し順序と暴落時の売却回避が重要になる |
利上げ時代には、預金や個人向け国債の利回りが上がることで、守りの資産にも多少の利息がつくようになります。
これはFIRE直前の人にとって、悪い話ではありません。
もちろん、インフレに勝てるとは限りません。それでも、まったく増えない現金をただ抱えるよりは、選択肢が増えます。
FIRE直前の人にとって大事なのは、最高効率だけではありません。
会社を辞めた後に、暴落しても売らずに済むこと
生活費を出しながら、メンタルを保てること
退職後1〜3年の不安を小さくすること
この意味で、利上げ時代の守り資産は、以前より見直す価値があります。
利上げ時代にやってはいけないこと
利上げ時代だからといって、何でも動けばいいわけではありません。むしろ、焦って動くと失敗します。
| NG行動 | 理由 |
|---|---|
| 預金金利が上がったから投資を全部やめる | 長期の資産成長を捨てることになる |
| 金利上昇が怖くて株を全部売る | タイミング投資になりやすい |
| 住宅ローンを慌てて繰上返済する | 手元資金が減り、柔軟性を失う可能性がある |
| 個人向け国債に全振りする | インフレや株式成長を取り逃がす可能性がある |
| 高金利商品に飛びつく | 信用リスクや為替リスクを見落としやすい |
| 利上げニュースだけで資産配分を変える | 短期ニュースに振り回される |
利上げ時代に大事なのは、極端に動くことではありません。低金利時代の常識を、少しずつ見直すことです。
預金も見る。国債も見る。住宅ローンも見る。株式も続ける。生活防衛資金も厚くする。FIRE後の取り崩しも考える。こうした全体設計が重要です。
40代独身が利上げ時代に確認すべきこと
40代独身が利上げ時代に確認すべきことを整理します。
| 確認項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 住宅ローンの有無 | 金利上昇の影響が直接出る可能性がある |
| 家賃・住居費 | 固定費としてFIRE必要資産に直結する |
| 生活防衛資金 | 退職・病気・暴落に備える土台になる |
| 預金金利 | 待機資金の置き場所を見直すきっかけになる |
| 個人向け国債 | 守り資産の候補として確認する価値がある |
| 投資信託の比率 | 株式リスクを取りすぎていないか見る |
| 債券・国債の役割 | FIRE直前・後の安定性を考える材料になる |
| NISAの使い方 | 長期成長資産をどう持つか考える |
| 退職時期 | 金利・物価・資産額を踏まえて再確認する |
| インフレ耐性 | 預金だけで生活できるか確認する |
40代独身は、家計の意思決定を自分でしやすい反面、支えも自分で作る必要があります。
配偶者の収入に頼る。家族の保険に入る。誰かが生活費を補う。こういう前提を置きにくいなら、利上げ時代の資産設計はかなり大事です。
利上げ時代は、FIRE計画を壊すものではありません。
ただし、FIRE計画を雑にしている人には、容赦なく現実を突きつけてきます。
低金利時代の常識をどうアップデートするか
利上げ時代の一番のポイントは、低金利時代の常識をアップデートすることです。
| 低金利時代の常識 | 利上げ時代のアップデート |
|---|---|
| 預金は増えないから最低限でいい | 待機資金にも少し利息がつくなら置き場所を選ぶ |
| 住宅ローンは変動金利が有利 | 金利上昇リスク込みで返済計画を見る |
| 債券は地味で不要 | FIRE直前・後の守り資産として再評価する |
| 現金は機会損失 | 暴落時に売らない力・買える力になる |
| 株式全振りが効率的 | 年齢・退職時期によって守りも必要になる |
| 借金は低コスト | 借入コスト上昇を前提にする |
| 預金金利は見なくていい | 金融機関ごとの差も確認する価値が出る |
このアップデートができるかどうかで、FIRE計画の安定感は変わります。
利上げ時代は、投資をやめる時代ではありません。投資だけを見ていればよい時代でもありません。
低金利時代の地図を持ったまま、金利のある世界を歩くのは危険です。
利上げ時代のFIRE資産設計
では、利上げ時代のFIRE資産設計はどう考えればよいのでしょうか。
大きく分けると、3つの箱で考えると分かりやすいです。
| 箱 | 役割 | 候補 |
|---|---|---|
| 生活を守る箱 | すぐ使うお金・生活防衛資金 | 普通預金、定期預金、短期資金 |
| 守りながら少し増やす箱 | FIRE直前・後の安定資金 | 個人向け国債、債券、MMF等 |
| 長期で増やす箱 | FIRE資産の成長エンジン | 投資信託、ETF、株式、NISA |
低金利時代は、真ん中の「守りながら少し増やす箱」の魅力がかなり薄かった。
だから、預金か株式か、という二択になりがちでした。
でも利上げ時代には、この中間部分が少しずつ意味を持ち始めます。
- 個人向け国債
- 短期債券
- MMF
- 定期預金
- 高金利普通預金
こうした選択肢が、FIRE資金の守り部分として検討しやすくなります。
もちろん、すべてを安全資産にする必要はありません。
FIREを目指すなら、長期で増やす資産も必要です。大事なのは、役割を分けることです。
生活費に使うお金。数年以内に使うお金。10年以上運用するお金。これを混ぜないことです。
利上げ時代のFIRE戦略チェックリスト
最後に、利上げ時代のFIRE戦略チェックリストをまとめます。
| チェック項目 | 確認 |
|---|---|
| 住宅ローン金利を確認したか | 変動金利・固定金利・返済額の変化を見る |
| 預金金利を見直したか | 生活防衛資金の置き場所を確認する |
| 個人向け国債を理解しているか | 変動10年・固定5年・固定3年の違いを把握する |
| 生活防衛資金は何年分あるか | FIRE直前なら厚めに見る |
| NISAのコア投資を続けられるか | 金利ニュースで積立を止めない |
| 株式比率が自分の年齢に合っているか | 退職時期が近いほど守りも考える |
| インフレに負けない設計か | 預金だけに偏らない |
| 借入を増やしすぎていないか | 利上げ時代は借金のコストに注意する |
| 退職後の取り崩し順序を考えているか | 暴落時に株を売らない工夫が必要になる |
| 低金利時代の常識を引きずっていないか | 時代の変化に合わせて見直す |
このチェックリストを見て不安が多いなら、利上げ時代に合わせて家計と資産配分を見直すタイミングかもしれません。
結論|利上げ時代は「投資しない時代」ではなく、お金の役割を分け直す時代
利上げ時代のFIRE戦略は、低金利時代とは少し変わります。
預金しても増えない。住宅ローンは低金利が当たり前。現金は機会損失。債券は地味。NISAで株式に投資するのが最適解。こうした低金利時代の常識は、完全に間違いではありません。
でも、これからもそのままでよいとは限りません。
- 金利がある世界では、預金にも少し意味が出ます
- 個人向け国債や債券も見直す価値があります
- 住宅ローンの負担は重くなる可能性があります
- 株式投資では、金利上昇に弱い分野と強い分野を意識する必要があります
- FIRE直前・FIRE後には、生活防衛資金や安全資産の重要性が増します
ただし、利上げ時代だからといって、投資をやめる必要はありません。
- 預金だけでFIREを目指すのは難しいです
- 個人向け国債だけで資産を大きく増やすのも簡単ではありません
- インフレが続けば、現金の価値は目減りします
だから大事なのは、極端に振れないことです。
- 預金は生活を守る
- 個人向け国債や債券は守りを支える
- 株式や投資信託は長期で増やす
- NISAは非課税で成長を取りに行く
- 住宅ローンや借入は金利上昇リスクを織り込む
つまり、利上げ時代は「投資しない時代」ではありません。「お金の役割を分け直す時代」です。
40代独身がFIREを目指すなら、低金利時代の常識だけで走り続けるのは危険です。
増やすお金。守るお金。すぐ使うお金。借りているお金。将来取り崩すお金。これらを、金利のある世界で見直す。それが、利上げ時代のFIRE戦略です。
FIREは、時代から逃げることではありません。時代の変化に合わせて、自分の生活と資産を作り直すことです。
低金利時代に作った地図を、そのまま持ち続けるのではなく、利上げ時代の地図に更新する。
それが、40代独身がこれから自由に近づくための現実的な一歩だと思います。
こちらの記事もあわせてどうぞ
▶ FIREを目指す人は現金いくら持つべきか?|キャッシュ比率の最適解 / FIRE計画の羅針盤
・利上げ時代に、生活防衛資金や現金の役割をさらに整理したい方に。
▶ 債券投資は必要か?|株式との違いとFIREにおける最適な役割 / FIRE計画の羅針盤
・個人向け国債や債券を、FIRE資産の守りとしてどう考えるか確認したい方に。
▶ FIREすると住宅ローンはどうなる?|退職前に考える住宅戦略と繰上返済の判断軸 / FIRE計画の羅針盤
・利上げ時代の住宅ローンとFIRE後の返済リスクを考えたい方に。
▶ 日本で4%ルールは本当に使える?FIRE後の税金・暴落・取り崩しリスクを検証 / FIRE計画の羅針盤
・利上げ・インフレ・暴落がある時代に、取り崩し戦略を見直したい方に。
▶ 退職ではなく“逃げ道の数字化”から始めるFIRE準備|もう働きたくない40代独身が最初にやるべきこと / FIRE計画の羅針盤
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▶ 利上げ時代のFIRE戦略|預金金利・住宅ローン・個人向け国債でお金の常識はどう変わる? / FIRE計画の羅針盤
・低金利時代の前提が崩れる中で、預金・住宅ローン・個人向け国債・株式投資をFIRE目線で見直しています。



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