退職ではなく“逃げ道の数字化”から始めるFIRE準備|もう働きたくない40代独身が最初にやるべきこと / FIRE計画の羅針盤

青基調の近未来空間で、FIREオーラを全開にしたスーパーメガネおじさんがスキャンされ、生活費、資産額、生活防衛資金、退職金、副収入、サイドFIRE達成率、自由度、逃げ道ルート数などの能力値がホログラム表示されている実写風アイキャッチ。もう働きたくない40代独身が、退職ではなく逃げ道を数字で可視化してFIRE準備を進めるイメージを表現している。 FIRE計画の羅針盤

もう働きたくない…」、40代になると、この言葉の重みが変わってきます。

20代の「働きたくない」は、月曜日が嫌だとか、上司が嫌だとか、朝が眠いとか、そういう一時的な感情だったかもしれません。
30代の「働きたくない」は、責任が増え、仕事量が増え、将来の不安も少しずつ見えてきた中での疲れだったかもしれません。

でも、40代独身の「もう働きたくない」は、もっと根が深いです。

  • あと何年、この会社にいるの
  • あと何回、人事異動に振り回されるのか
  • あと何人、面倒な上司や同僚と付き合うのか
  • あと何年、意味の分からない会議に出るのか
  • あと何年、心をすり減らしながら給料をもらうのか

こういう問いが、急にリアルになります。

若い頃なら、「まあ、そのうち良くなるか」と思えました。
でも40代になると、何となく分かってきます。たぶん、このまま何もしなければ、そんなに劇的には変わらない。

  • 会社は会社の都合で動きます
  • 上司は上司の都合で動きます
  • 人事は人事の都合で動きます
  • 組織は組織の都合で動きます

自分の人生を最優先にしてくれるわけではありません。だからこそ、FIREという言葉が気になります。

  • 経済的自立
  • 早期リタイア
  • 会社に依存しない生活
  • 働かない自由
  • 嫌な環境から離れる選択肢

この響きは、疲れた40代独身にはかなり刺さります。

ただし、ここで勢いだけで退職するのは危険です。

もう無理だ」、「辞めてやる」、「FIREしたい」、「とにかく会社から逃げたい」、この気持ちは分かります。ものすごく分かります。

でも、感情だけで会社を辞めると、FIREではなく、ただの無収入生活になってしまう可能性があります。
本当に必要なのは、退職届を書くことではありません。まずやるべきなのは、「逃げ道の数字化」です。

  • 自分はいくらあれば逃げられるのか
  • 今の資産で何か月暮らせるのか
  • 生活費はいくらなのか
  • 退職金はいくら見込めるのか
  • 失業手当は使える可能性があるのか
  • 退職後の国民健康保険や国民年金はいくらか
  • 完全FIREは無理でも、サイドFIREなら何年後に可能か

これを数字で見る。「もう働きたくない」という感情を、「あと何年なら耐えられるか」・「何万円あれば逃げ道ができるか」・「どの生活費なら現実的か」に数字化する。
それが、40代独身が最初にやるべきFIRE準備です。

この記事では、「もう働きたくない」と感じた40代独身が、退職ではなく「逃げ道の数字化」から始めるための具体的な手順を整理します。

なお、この記事は退職や投資を推奨するものではありません。退職、転職、休職、FIRE、資産運用は、資産額、生活費、健康状態、勤務先制度、家族状況、年金、税金、社会保険によって大きく変わります。最終判断は、自分の状況に合わせて慎重に行ってください。

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結論|「もう働きたくない」と思ったら、まず退職ではなく逃げ道を数字で作る

最初に結論から言います。「もう働きたくない」と思ったときに、最初にやるべきことは退職ではありません。「逃げ道を数字で作ること」です。

感情としては、今すぐ辞めたい。でも現実には、今すぐ辞められる人ばかりではありません。

  • 資産が足りない
  • 生活費が分からない
  • 退職金が分からない
  • 失業手当もよく分からない
  • 社会保険料が怖い
  • 親の介護も見えている
  • 賃貸やクレジットカードの信用も気になる
  • 再就職できるかも分からない

この状態で退職すると、会社からは逃げられても、不安からは逃げられません。だから、まずは数字にします。

感情数字化する内容
もう働きたくないあと何年なら働けるか
会社を辞めたい辞めた後に何か月暮らせるか
FIREしたい必要資産はいくらか
今すぐ逃げたい生活防衛資金はいくらあるか
上司が無理異動・休職・転職・退職の選択肢を比較
未来が不安年金開始までの空白期間を計算
資産が足りない月いくら積み立てれば何年後に逃げ道ができるか

もう働きたくない」は、悪い感情ではありません。むしろ、自分の限界を知らせるサインです。
ただし、そのサインをそのまま退職に直結させるのではなく、数字に変える。これが大事です。

退職届は最後でいいです。最初に作るべきなのは、「逃げ道の地図」です。

40代独身の「もう働きたくない」は甘えではなく、リスク管理のサイン

もう働きたくない」と言うと、甘えのように聞こえるかもしれません。

  • まだ働ける年齢だろう
  • みんな我慢している
  • 独身なら身軽なんだから頑張れ
  • 家族持ちはもっと大変だ
  • 会社員で安定しているだけありがたい

こういう声もあるでしょう。たしかに、会社員には強い面があります。

  • 毎月給料が入る
  • 厚生年金がある
  • 健康保険がある
  • 有給休暇がある
  • 傷病手当金もある
  • 社会的信用もある

これはかなり大きいです。だから、会社員を軽く見るべきではありません。
でも、40代独身が「もう働きたくない」と感じるのには、ちゃんと理由があります。

40代独身が疲れやすい理由内容
キャリアの先が見えやすい出世・役職・人間関係の限界が見えてくる
転職の難易度が上がる若手のような未経験転職がしにくい
親の介護が近づく自分の生活以外の負担が見えてくる
健康不安が増える体力・睡眠・メンタルの回復力が落ちる
独身ゆえに逃げ場が少ない家族の支えが前提にしにくい
会社に人生を預ける怖さが出る役職定年・黒字リストラ・異動リスクが見えてくる

40代の「もう働きたくない」は、単なる月曜の憂うつではありません。
このままの働き方を続けると、自分の人生が会社に吸われ続けるのではないか。そういう不安です。

だから、この感情は無視しない方がいいです。
ただし、感情のまま辞めるのではなく、まずリスク管理に変える。
もう働きたくない」は、FIRE準備の入口になります。

逃げ道の数字化とは何か

逃げ道の数字化とは、自分が会社に依存しすぎないために、退職・転職・休職・FIRE・サイドFIREの選択肢を数字で見えるようにすることです。

感覚だけで考えていると、全部が怖く見えます。

  • 辞めたら終わり
  • 転職できなかったら終わり
  • 資産が減ったら終わり
  • 病気になったら終わり
  • 親の介護が来たら終わり

でも、数字にすると少し変わります。

  • 今の生活費なら、現金だけで何か月暮らせる
  • 投資資産を含めれば、何年分の生活費がある
  • 退職金を足すと、逃げ道が何年分増える
  • 月5万円副収入があれば、必要資産がかなり下がる
  • 生活費を月5万円下げれば、FIRE必要額が1,500万円下がる

こうやって見える化すると、漠然とした不安が具体的な課題になります。

不安数字化後の問い
辞めたら生活できない今の資産で何か月暮らせるか
FIREできる気がしない必要資産との差額はいくらか
転職が怖い年収が何割下がっても耐えられるか
暴落が怖い現金比率は何年分あるか
退職後の支出が怖い国保・年金・住民税を見込んでいるか
いつ辞められるか分からない何年後なら選択肢ができるか

逃げ道の数字化は、会社をすぐ辞めるための作業ではありません。
むしろ逆です。勢いで辞めないための作業です。

  • 自分が本当に辞められる状態なのか
  • まだ準備が必要なのか
  • 完全FIREは無理でも、サイドFIREなら可能なのか
  • 転職や休職の方が現実的なのか

これを冷静に見るためのものです。

最初に見るべき数字①|毎月の生活費

逃げ道の数字化で最初に見るべきなのは、資産額ではありません。「生活費」です。

なぜなら、生活費が分からないと、必要資産も逃げ切り年数も計算できないからです。

月15万円で暮らせる人と、月30万円必要な人では、必要な資産額はまったく違います。
4%ルールで単純に見ると、年間生活費の25倍が必要資産の目安です。

月の生活費年間生活費4%ルールで見た必要資産
15万円180万円4,500万円
20万円240万円6,000万円
25万円300万円7,500万円
30万円360万円9,000万円
35万円420万円1億500万円

この表を見ると、生活費の影響がよく分かります。

月20万円生活なら、必要資産は6,000万円。月30万円生活なら、9,000万円。差は3,000万円です。

3,000万円を投資で増やすのは簡単ではありません。
でも、生活費を月30万円から25万円に下げるだけで、必要資産は1,500万円下がります。
月20万円まで下げられれば、必要資産は3,000万円下がります。

つまり、生活費を把握することは、FIREの距離を測ることです。
まずは、自分の支出を次のように分けると分かりやすいです。

支出項目確認する内容
住居費家賃、管理費、更新料、火災保険
食費自炊、外食、コンビニ、嗜好品
光熱費電気、ガス、水道
通信費スマホ、ネット、サブスク
保険医療保険、生命保険、自動車保険
交通費電車、車、ガソリン、駐車場
医療費通院、薬、検査、歯科
交際費飲み会、贈答、帰省
趣味・娯楽旅行、ゲーム、本、動画
予備費家電、冠婚葬祭、修理、急な出費

もう働きたくない」と思ったら、まず家計簿です。
地味です。全然ロマンはありません。でも、ここを見ないFIRE準備は危険です。

最初に見るべき数字②|生活防衛資金

次に見るべきなのは、「生活防衛資金」です。

生活防衛資金とは、投資とは別に持っておく現金のことです。
会社員であれば、毎月給料が入ります。でも退職すると、給料は止まります。
そのとき、現金が少ないとかなり不安になります。

  • 株が下がっている
  • でも生活費が必要
  • 仕方なく投資信託を売る
  • その後、相場が回復する
  • でも自分は安値で売ってしまった

これは避けたいです。だから、逃げ道の数字化では、まず現金で何か月暮らせるかを見ます。

生活防衛資金見方
生活費3か月分最低限。退職・転職には少し不安
生活費6か月分会社員なら一つの目安
生活費1年分退職・転職・休職時に安心感が出る
生活費2年分FIRE準備ではかなり心強い
生活費3年分以上暴落時にも投資資産を売らずに済みやすい

たとえば月20万円生活なら、1年分で240万円。2年分なら480万円。3年分なら720万円です。

FIREを目指すなら、投資資産だけではなく、現金の厚みも重要です。
特に40代独身の場合、病気、退職、親の介護、転職失敗などを一人で受ける可能性があります。

だから、現金を持つことは逃げ道になります。投資効率だけを考えると、現金は退屈です。
でも、メンタル安定という意味では、現金はかなり強い資産です。

最初に見るべき数字③|今の総資産とFIRE不足額

生活費と現金を見たら、次に「総資産」を確認します。ここでいう総資産は、ざっくり次のようなものです。

資産内容
預貯金普通預金、定期預金
投資信託NISA、特定口座、旧NISA
株式個別株、ETF
iDeCo・企業型DC原則すぐには使えない老後資産
退職金見込み退職時期によって変わる
その他債券、保険解約返戻金など

ここで大事なのは、すぐ使える資産と、すぐ使えない資産を分けることです。

NISAや特定口座の投資信託は、売却すれば現金化できます。預金もすぐ使えます。
一方、iDeCoや企業型DCは、原則として60歳以降でなければ受け取れません。
老後資産としては大事ですが、45歳で会社を辞めた後の生活費にはすぐ使えません。

つまり、FIRE不足額を計算するときは、資産の種類を分けて考える必要があります。

資産の種類FIRE準備での見方
現金生活防衛資金・退職直後の支え
NISA・特定口座FIRE資産の中心
iDeCo・企業型DC老後資産。早期FIREの空白期間には使いにくい
退職金逃げ道を大きくする可能性あり
持ち家住居費を下げるが流動性は低い

たとえば、FIREに必要な資産が6,000万円だとします。
現在の投資資産と現金が3,000万円なら、不足額は3,000万円です。

この不足額を、何年で埋めるのか。毎年200万円なら15年。毎年300万円なら10年。毎年400万円なら7.5年。
こうして、漠然とした「まだ足りない」が、具体的な年数になります。

最初に見るべき数字④|退職金

40代会社員なら、「退職金」も確認したいです。

退職金は、FIRE計画に大きく影響します。ただし、退職金は勤務先の制度、勤続年数、退職理由、自己都合か会社都合かによって変わります。

必ずもらえる金額として過信するのは危険ですが、概算でも把握しておく価値はあります。

確認項目見る理由
現時点の退職金見込み今辞めたらいくらか
55歳時点の見込み10年後まで働く価値を見る
60歳時点の見込み定年・再雇用までの比較
自己都合退職の場合減額があるか
会社都合退職の場合上乗せや条件があるか
税引き後の手取り実際に使える金額を見る

退職金を見ないままFIREを考えるのは、かなりもったいないです。
たとえば、あと数年働くことで退職金が大きく増えるなら、すぐ辞めるより「あと何年耐えるか」を考えた方がいい場合もあります。
逆に、退職金があまり増えないなら、転職やサイドFIREの選択肢を考えてもいいかもしれません。

大事なのは、「退職金を感情ではなく数字で見ること」です。
もう無理だから辞める」ではなく、「あと3年働くと退職金がいくら増えるのか」、「その3年は自分にとって買う価値があるのか」を考える。これはかなり現実的なFIRE準備です。

最初に見るべき数字⑤|失業手当・社会保険・住民税

会社を辞めると、給料だけでなく、「社会保険の仕組み」も変わります。

ここを甘く見ると危険です。退職後に出てくる主な支出・制度は次の通りです。

項目注意点
失業手当自己都合・会社都合、待機期間、給付日数に注意
国民健康保険前年所得により負担が重くなることがある
任意継続会社の健康保険を一定期間継続できる場合がある
国民年金厚生年金から国民年金へ変わる
住民税退職後も前年所得に応じて請求される
所得税退職金や投資所得、確定申告に注意

FIRE準備では、「退職後1年目が特に怖い」です。
なぜなら、収入が減っても、住民税や国民健康保険は前年所得をもとに重くなることがあるからです。

会社員時代の年収が高いほど、退職後すぐの負担感は大きくなりやすいです。
つまり、退職後の生活費は、単純な家計支出だけでは見積もれません。

食費20万円。家賃10万円。通信費1万円。はい、月31万円です。という話ではありません。
そこに、住民税、国民健康保険、国民年金、医療費、予備費が乗ってきます。
だから、逃げ道の数字化では、退職後1年目の支出を厚めに見る必要があります。

「もう働きたくない」を4つの選択肢に分ける

もう働きたくない」と思ったとき、選択肢は退職だけではありません。実際には、次の4つがあります。

選択肢内容向いているケース
休む有休・休職・病気療養心身が限界に近い
移る異動・配置転換会社自体より職場や上司が問題
変える転職・働き方変更業務内容や環境を変えたい
降りるFIRE・サイドFIRE・退職資産と生活設計が整っている

いきなり「降りる」を選ぶ必要はありません。
むしろ、数字が整っていないなら、まずは休む、移る、変えるを検討した方が安全です。

  • 有休を取る
  • 産業医や医師に相談する
  • 休職制度を確認する
  • 異動の可能性を探る
  • 転職市場を見てみる
  • 副業を育てる
  • 生活費を下げる
  • 資産形成を続ける

これらも全部、逃げ道です。FIREだけが逃げ道ではありません。大事なのは、逃げ道を一つにしないことです。

会社を辞めるしかない」と思うと、追い詰められます。
休む」・「移る」・「変える」・「降りる」があると思うと、少し冷静になれます。

逃げ道を数字化するチェック表

ここで、自分の逃げ道を数字で確認する表を作ります。

項目自分の数字
毎月の生活費〇万円
年間生活費〇万円
預貯金〇万円
投資資産〇万円
生活防衛資金〇か月分
退職金見込み〇万円
FIRE必要資産〇万円
現在の不足額〇万円
毎年の投資可能額〇万円
逃げ道ができるまでの年数〇年

この表を埋めるだけでも、かなり見え方が変わります。

たとえば、今の資産が2,000万円。生活費が月20万円。FIRE必要資産は6,000万円。不足額は4,000万円。毎年300万円を投資・貯蓄できるなら、単純計算で約13年。運用益や退職金があれば、もう少し短くなる可能性があります。

この数字を見ると、絶望するかもしれません。でも、何も見えないよりはマシです。
なぜなら、次の問いが出てくるからです。

  • 生活費を下げられないか
  • 毎年の投資額を増やせないか
  • 55歳ではなく60歳ならどうか
  • 完全FIREではなくサイドFIREならどうか
  • 退職金を入れたらどうか
  • 実家に戻る選択肢はあるか
  • 副収入を月5万円作れないか

これが、「逃げ道の数字化」です。

完全FIREだけを目指すと苦しくなる

40代独身がFIREを考えるとき、「完全FIRE」だけを目標にすると苦しくなりがちです。
完全FIREとは、労働収入に頼らず、資産収入や取り崩しだけで生活する形です。

これは理想です。でも、必要資産が大きくなります。

月20万円生活なら6,000万円。月25万円なら7,500万円。月30万円なら9,000万円。さらに税金、社会保険、医療費、物価高、暴落リスクを見れば、もっと余裕が欲しくなります。

すると、いつまでも辞められません。だから、40代からはサイドFIREも現実的な選択肢になります。

FIREの形内容
完全FIRE資産だけで生活する
サイドFIRE資産+軽い労働収入で生活する
バリスタFIREパート・短時間労働と資産を組み合わせる
コーストFIRE老後資産は確保し、現在の生活費だけ働く
辞めないFIRE会社員を続けつつ、精神的に会社依存を下げる

もう働きたくない」と思っている人にとって、本当に必要なのは、完全に働かないことではないかもしれません。

嫌な会社で、嫌な人間関係の中で、週5日フルタイムで働き続けることがつらい。
それなら、働き方を軽くするだけでもかなり変わります。

  • 週5日を週3日にする
  • 正社員から契約社員やパートにする
  • 在宅中心にする
  • 転職して年収は下がってもストレスを減らす
  • 副業を組み合わせる

こういう逃げ道もあります。完全FIREにこだわりすぎると、逃げ道が遠くなります。
サイドFIREまで含めれば、逃げ道は少し近づきます。

もう働きたくない40代独身が最初にやるべき7ステップ

ここで、具体的な手順を整理します。

ステップやること
1生活費を出す
2現金と投資資産を確認する
3生活防衛資金が何か月分あるか見る
4退職金・失業手当・社会保険を確認する
5完全FIREとサイドFIREの必要資産を比較する  
6あと何年働けば逃げ道ができるか計算する
7退職前に信用インフラを整える

この7ステップをやるだけで、「もう働きたくない」はかなり具体化します。

特に大事なのは、7つ目の「信用インフラ」です。
会社員を辞めると、賃貸、クレジットカード、ローン、銀行などで会社員の信用を使いにくくなる可能性があります。
だから、退職前には住まい、カード、銀行口座、引落、保証人、緊急連絡先を整えておきたいです。

▶ FIREによって失う信用とは?|賃貸・クレカ・ローン・銀行を会社員の信用が消える前に整える現実戦略 / FIRE計画の羅針盤

感情で辞める前に作る「退職シミュレーション」

退職を考えるなら、最低でも3パターンはシミュレーションしたいです。

パターン内容
今すぐ辞める現金と資産で何年持つか
3年後に辞めるその間にいくら増やせるか
5〜10年後に辞めるFIRE・サイドFIREに近づくか

たとえば、今すぐ辞めたら危険でも、3年後ならかなり違うかもしれません。

  • 3年で生活防衛資金を増やす
  • 投資資産を積み上げる
  • クレジットカードや賃貸を整える
  • 副収入を作る
  • 固定費を下げる
  • 転職市場を見る

これだけで、逃げ道はかなり太くなります。

FIRE準備では、「今日辞めるか、一生我慢するか」の二択にしないことが大事です。

今日辞めない。でも、一生我慢するわけでもない。3年後、5年後、10年後に逃げ道を作る。この考え方が現実的です。

「あと何年働けば逃げられるか」を計算する

逃げ道の数字化で一番大事なのは、「あと何年働けば逃げられるか」を出すことです。

ざっくり計算するなら、次の式です。

FIRE不足額 ÷ 年間の貯蓄・投資可能額 = 逃げ道ができるまでの年数

たとえば、FIRE必要資産が6,000万円。現在資産が3,500万円。不足額は2,500万円。
年間250万円を貯蓄・投資できるなら、単純計算で10年。

もちろん、実際には運用益、暴落、退職金、税金、生活費変動があるので、この通りにはなりません。でも、目安にはなります。

不足額年間200万円年間300万円年間400万円
1,000万円5年約3.3年2.5年
2,000万円10年約6.7年5年
3,000万円15年10年7.5年
4,000万円20年約13.3年10年

この表を見ると、入金力の重要性が分かります。
同じ不足額3,000万円でも、年間200万円なら15年。年間300万円なら10年。年間400万円なら7.5年。

生活費を下げて入金力を上げることは、逃げ道までの年数を短くします。
つまり、「節約は我慢ではなく、逃げ道を早める行為」です。

退職ではなく「選べる状態」を作る

FIRE準備の本質は、すぐ退職することではありません。選べる状態を作ることです。

  • 今の会社に残る
  • 転職する
  • 休職する
  • 異動を待つ
  • 副業を育てる
  • サイドFIREする
  • 完全FIREを目指す
  • 実家に戻る
  • 地方に移る
  • 働き方を落とす

これらを選べる状態にする。それが逃げ道です。

会社がつらいとき、一番しんどいのは選択肢がないことです。

  • 辞めたいけど辞められない
  • 転職したいけど怖い
  • 休みたいけどお金が不安
  • 働き方を変えたいけど資産がない
  • FIREしたいけど必要額が分からない

この状態は、精神的にかなりきついです。だから、数字で逃げ道を作る。

  • 月20万円生活なら、あといくら必要か
  • 副収入5万円なら、必要資産はいくら下がるか
  • あと5年働けば、現金はいくら増える
  • あと10年なら、退職金はいくらになるか

こうやって、逃げ道を細かく作っていく。すると、今すぐ辞めなくても、心は少し軽くなります。

やってはいけない退職準備

一方で、「もう働きたくない」と思ったときにやってはいけないこともあります。

NG行動理由
勢いで退職届を出す生活費・税金・社会保険を見落としやすい
退職金を全部投資に回す暴落時に生活資金が足りなくなる
クレカや賃貸を整えず辞める会社員信用を失ってから困る可能性
生活費を把握しないFIRE必要額が分からない
SNSのFIRE成功談だけを見る自分の条件と違う場合が多い
高リスク投資で不足額を埋めようとする失敗すると逃げ道が遠のく
心身の限界を無視する資産形成以前に健康を失う

特に危険なのは、高リスク投資で一気に逃げようとすることです。

もう働きたくない。でも資産が足りない。だからテーマ型投信、個別株、信用取引、暗号資産で一気に増やす。
これは危険です。逃げたい気持ちが強いと、投資判断が雑になります。

FIRE資産は、焦りで作るものではありません。焦って大きく張るほど、失敗したときに会社から逃げるどころか、会社にさらに依存することになります。

「もう働きたくない」は数字で小さくできる

不思議なことに、不安は数字にすると少し小さくなります。

もちろん、問題が消えるわけではありません。でも、正体が見えます。

  • 何が足りないのか
  • 何年必要なのか
  • 何を減らせばいいのか
  • 何を増やせばいいのか
  • どの選択肢が現実的なのか

これが分かるだけで、かなり違います。

もう働きたくない」は、感情です。でも、逃げ道は数字です。
感情だけだと、自分を追い詰めます。数字にすると、行動に変えられます。

  • 生活費を出す
  • 現金を増やす
  • NISAを続ける
  • 固定費を下げる
  • 副収入を作る
  • 退職金を確認する
  • 信用インフラを整える
  • あと何年かを計算する

一つずつやれば、会社への依存度は下がります。完全FIREに届かなくても、精神的にはかなり変わります。

結論|もう働きたくないなら、退職届ではなく逃げ道の数字化から始める

40代独身が「もう働きたくない」と感じるのは、甘えとは言い切れません。

  • それは、会社に人生を預け続けることへの違和感かもしれません
  • この先のキャリアが見えてしまった疲れかもしれません
  • 人間関係や組織の理不尽に耐え続けた結果かもしれません
  • 親の介護、健康不安、老後資金、独身の孤独が一気に見えてきたサインかもしれません

だから、その感情を無視する必要はありません。ただし、そのまま退職届に変えるのは危険です。

最初にやるべきことは、退職ではありません。「逃げ道の数字化」です。

  • 毎月いくらで暮らしているのか
  • 現金は何か月分あるのか
  • 投資資産はいくらか
  • FIREに必要な資産はいくらか
  • 不足額はいくらか
  • 退職金はいくら見込めるか
  • 退職後の税金や社会保険料はいくらか
  • あと何年働けば逃げ道ができるか
  • 完全FIREではなくサイドFIREならどうか
  • 信用インフラは整っているか

これを一つずつ数字で見る。すると、「もう働きたくない」は、少しずつ「どうすれば逃げられるか」に変わります。

会社を辞めるかどうかは、最後に考えればいいです。

まずは、辞められる状態を作る
辞めなくてもいい状態を作る
選べる状態を作る

これが、40代独身おじさんのFIRE準備です。

FIREは、勢いで会社から飛び出すことではありません。
自分の生活を守りながら、会社への依存度を少しずつ下げていくことです。

もう働きたくない」と思った日が、終わりではありません。むしろ、そこからが始まりです。

  • 退職届を書く前に、家計簿を開く
  • 怒りをぶつける前に、生活費を出す
  • 絶望する前に、不足額を計算する
  • 逃げたい気持ちを、逃げ道の地図に変える

それが、FIREを目指す40代独身おじさんが最初にやるべきことだと思います。

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