アクティブファンドはもう不要?|FIRE民は「市場平均に勝つ」必要があるのか / FIRE計画の羅針盤

青基調の実写風アイキャッチ。市場平均を目指して競うインデックスファンドとアクティブファンドを、メガネの中年男性が「どっちも頑張れ」と応援している様子を描いた画像。FIRE民の投資信託選びを表現している。 FIRE計画の羅針盤

投資信託を選んでいると、かなり早い段階で「アクティブファンドとインデックスファンドはどっちがいいのか」という問題にぶつかります。

新NISAでオルカンやS&P500に連動する低コストのインデックスファンドを積み立てている人なら、「わざわざ高い信託報酬を払ってアクティブファンドを買う意味なんてあるの?」と思うかもしれません。
反対に、プロのファンドマネージャーが企業を調べ、将来性が高いと判断した銘柄を選んでくれるなら、少しくらいコストが高くても市場平均以上のリターンを狙いたいと考える人もいるでしょう。

一般に、インデックスファンドは特定の指数への連動を目指し、アクティブファンドは調査や銘柄選択を通じてベンチマークを上回る成果などを目指します。
金融庁の資料でも、インデックス型は市場全体の値動きへの連動を基本とする一方、アクティブ型は超過リターンを狙う性格上、一般的にコストやリスクが高くなりやすいと整理されています。

ここだけ見れば、「低コストで市場平均を取れるインデックスファンドの方が合理的」という結論になりそうです。
ただ、FIREを目指している人には、その前に確認したいことがあります。そもそもFIREの目的は、投資信託ランキングで1位になることでも、毎年オルカンやS&P500を上回ることでもありません。

必要なのは、資産形成を続け、自分が望む働き方や退職時期を選べるだけの金融資産を作ることです。
そう考えると、本当に大事な問いは、「アクティブとインデックスのどちらが勝つか」ではなく、「自分は市場平均に勝つ必要があるのか」ではないでしょうか。

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アクティブファンドとインデックスファンドは、そもそも何が違うのか

インデックスファンドは、TOPIX、S&P500、MSCI ACWIなど、あらかじめ定められた指数に連動する運用成果を目指します。個別企業を一社ずつ選んで市場平均を上回ろうとするのではなく、指数が示す市場や投資対象全体の値動きを、できるだけ低いコストで取り込むことが基本的な役割です。

アクティブファンドは、ファンドマネージャーやアナリストが企業や経済環境を調査し、投資する銘柄や比率を判断します。商品によって運用目的は異なりますが、ベンチマークを上回る成果を狙うものが多く、そのための調査、人材、売買などに費用がかかります。

違いを大まかにまとめると、こうなります。

比較項目インデックスファンドアクティブファンド
主な目標指数への連動ベンチマーク超過など独自の運用目標
銘柄選び指数構成に沿う運用者が調査・選択する
信託報酬低い傾向高い傾向
市場平均超え基本的には狙わない狙う商品が多い
投資家が重視する点指数・コスト・連動性運用方針・実績・コスト・継続性

ただし、「インデックスファンド = 何も考えなくていい商品」ではありません。

S&P500を選ぶのか、TOPIXを選ぶのか、全世界株式を選ぶのかで、投資する国も企業も違います。
インデックスファンドを選ぶことで個別銘柄の選択は大幅に減らせても、「どの市場へ資産を置くのかという判断まで消えるわけではない」のです。
その前提を押さえたうえで、アクティブファンドが追加コストに見合う成果を出せているのかを見ていきます。

アクティブファンドが市場平均に勝ち続けるのは簡単ではない

「プロが運用するのだから、インデックスより高いリターンを出してくれるのではないか」と思うのは自然です。
ところが長期データを見ると、アクティブ運用がベンチマークを継続的に上回ることは簡単ではありません。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが公表するSPIVA日本スコアカードでは、日本で販売されるアクティブファンドと、それぞれに割り当てられたベンチマークの成績を比較しています。
2025年末までのデータを見ると、「All Japanese Equity」カテゴリーでは、1年間でS&P Japan 500を下回ったファンドの割合は53.46%でした。
ところが期間を長くすると、10年間では77.67%、15年間では76.04%がベンチマークを下回っています。
日本大型株では2025年単年ならベンチマークを下回った割合は49.17%で、過半数のファンドが上回りましたが、10年間では83.38%、15年間では80.38%が下回っています。

ここから分かるのは、「アクティブファンドは全部ダメ」ということではありません。
一年単位なら市場平均を上回るファンドは普通にありますし、市場環境によってはアクティブ運用が優位になるカテゴリーもあります。
問題は、「これから長期間アウトパフォームするファンドを事前に選べるか」という点です。

過去の勝者がその後も勝ち続けるとは限りません。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは2026年7月、日本市場について「継続的にアウトパフォームするアクティブファンドを見極めることは困難」とする分析を公表しており、2025年には日本籍のアクティブ株式ファンド933本のうち80%超が各ベンチマークを下回ったとしています。

もちろん、このデータはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによる分析です。
カテゴリーの分け方、比較するベンチマーク、期間などによって結果は変わるため、「アクティブ運用は未来永劫すべて負ける」という意味ではありません。

それでも、「今まで成績が良かったファンドを買えば、今後も市場平均に勝てる」と単純に考えるのは難しい。
ここはアクティブファンドを選ぶうえで、最初に理解しておきたいところです。

「アクティブファンドは意味ない?」より先に考えたいFIREの勝利条件

「アクティブファンドは意味ない」と考える人が気にしているのは、たいてい「コスト」と「運用成績」です。
信託報酬が高いのにインデックスファンドへ負けるなら、それを買う意味はないのではないか。かなりもっともな疑問です。

ただ、FIREを目指している人なら、もう一つ別の採点表を持っておきたいと思います。
たとえば現在1000万円あり、毎月10万円を積み立てながら、10年後、15年後のFIREを目指しているとします。
現実的な利回りを置いて資産形成を続け、その範囲で目標資産へ近づいているなら、本来の計画としては順調です。

ところが投資を続けていると、知らないうちに採点方法が変わってきます。
自分の資産が必要なペースで増えているかではなく、「今年はS&P500に勝ったか」、「オルカンより増えたか」、「もっと成績の良いファンドがあったのではないか」が気になり始めます。

すると、十分うまくいっていた投資まで物足りなくなります。去年好調だったアクティブファンドへ乗り換え、その翌年は別のテーマファンドが上がる。さらに新しい投資法が話題になると、今度はそちらへ移りたくなる。
これを続けると、投資の目的が少しずつ変わります。資産形成によって会社への依存を減らすことが目的だったはずなのに、いつの間にか「市場平均を上回ること自体がゲームの目的」になってしまいます。

投資法を探し続けるうちに運用方針そのものが定まらなくなると、どれだけ良い商品を持っていても続けることが難しくなります。

▶ 最強の投資法を探すほど迷子になる?|FIRE民がハマる“投資スタイル漂流”の罠 / FIRE計画の羅針盤

FIREでは、市場平均との差より先に確認したい数字があります。

自分の生活費はいくらなのか。いくらあれば会社を辞められるのか。あと何年積み立てるのか。暴落しても続けられる資産配分になっているのか。この数字が成立しているなら、必ずしも毎年市場平均へ勝つ必要はありません。
FIREの勝利条件は「市場平均超過」ではなく、「自分の人生の選択肢が増えたか」です。

信託報酬1%の差は小さく見えて、長期では無視できない

アクティブファンドとインデックスファンドを比較するとき、避けて通れないのが「信託報酬」などのコストです。
金融庁は2026年4月、国内公募投資信託について、ファンド分類別のリターン、信託報酬、総経費率、10年間のパフォーマンスなどをまとめた分析データを公表しています。
そこではアクティブ型・インデックス型を分けた比較も行われており、単純な信託報酬だけでなく総経費率を見る重要性も確認できます。

長期投資では、年1%前後のコスト差でも積み上がると無視できません。
分かりやすくするため、実際の商品とは無関係な単純な例で考えてみます。
500万円を20年間運用し、コスト控除前の運用成果が毎年5%だったと仮定します。
一方は年間コスト0.2%、もう一方は1.2%とし、単純化してそれぞれ4.8%、3.8%で複利運用したとすると、結果はこうなります。

仮定低コスト側高コスト側
元本500万円500万円
コスト控除前の仮定利回り年5%年5%
年間コストの仮定0.2%1.2%
単純化した運用利回り4.8%3.8%
20年後の概算約1,277万円約1,054万円
差額約223万円―

これは将来の運用成果を予測する計算ではありません。
実際の投資信託は毎年同じ利回りになるわけではなく、商品ごとに費用体系も異なります。
それでも、「年間1%くらいなら大したことない」とは言い切れないことは分かります。

アクティブファンドには、このコスト差を乗り越える必要があります。
運用者がインデックスより優れた銘柄を選べたとしても、その超過収益がコスト以下なら、投資家が受け取る成果では優位性が消えてしまいます。

ただし、ここで「信託報酬が高い商品はすべて悪い」と決めるのも少し雑です。
必要なのは、「高いコストを払う代わりに何を得ているのかを説明できること」です。

信託報酬だけでは見えない総経費率やその他費用まで確認すると、投資信託の比較はかなり変わります。

▶ 投資信託の隠れコストとは?|信託報酬だけ見ている40代独身がFIREで損しないための見方 / FIRE計画の羅針盤

安さは大切です。でも「安いから買う」だけでも、「高いから買わない」だけでもなく、「その費用に何の仕事をさせているのか」まで見た方が、長期では納得しやすくなります。

アクティブファンドを買うなら「市場平均超え」以外の理由を言えるか

アクティブファンドへ高いコストを払うなら、市場平均を上回ってほしい。これは当然の感覚です。
ただ、商品を選ぶ理由が「市場平均より儲かりそう」だけだと、少し困る場面があります。数年間ベンチマークを下回ったとき、持ち続ける根拠がなくなるからです。

たとえば、あるアクティブファンドが中小型企業を中心に深い企業調査を行っているかもしれません。
独自の投資哲学を長期間守っているかもしれませんし、指数では大きく組み入れられない企業へ投資している場合もあります。
それらの方法がインデックスより優れていると決めつけることはできません。

大切なのは、「このファンドはプロが選んでいるから」ではなく、「自分では簡単に再現できないこの運用方針・投資対象・調査機能に対して、このコストなら払ってもいい」と説明できるかどうかです。
反対に、「銀行で勧められた」、「最近ランキング上位だから」、「去年30%上がったから」だけでは、アクティブファンドを選ぶ根拠としてかなり弱い。

特に過去リターンランキングは魅力的に見えます。しかし、過去の上位ファンドがその後も上位であり続ける保証はありません。
市場環境が変われば、成長株が強かった時期に好成績だったファンドが不調になることもありますし、小型株が有利だった時期と大型株が有利な時期でも結果は変わります。

そこで一つ、簡単な確認方法があります。「ファンドの過去5年リターンやランキング表示をいったん隠したとして、それでも買いたいか」です。

運用哲学、投資対象、費用、ベンチマーク、リスク、ファンドマネージャーの方針を見ても魅力を感じるなら、少なくとも「過去に上がったから」という理由だけではありません。
逆に、ランキングを消した瞬間に買う理由も消えるなら、自分が欲しかったのは運用方針ではなく、「過去の勝者という肩書き」だった可能性があります。

インデックスファンドにも「選ばなくていい」という魔法はない

インデックス投資には、個別銘柄を選び続けなくてよいという大きなメリットがあります。
しかし、それを「何も考えなくていい」と受け取ると、別の落とし穴があります。

S&P500を選ぶのか。全世界株式を選ぶのか。TOPIXを選ぶのか。先進国株や新興国株を組み合わせるのか。この選択は投資家自身が行います。
全世界株式の中にも米国株は大きな割合を占めていますから、オルカンとS&P500を両方持てば、単純に「2本だから分散が2倍」になるわけではありません。
また、株式インデックスファンドを何本買っても、生活防衛資金や退職直後に使う現金まで自動的に用意されるわけではありません。

つまり、インデックスファンドは銘柄選択の仕事を大幅に減らしてくれますが、「人生全体の資産配分まで決めてくれる商品ではない」のです。

オルカン1本で十分な人もいます。一方、FIRE直前で大きな値下がりに耐えにくい人なら、現金や債券など別の資産を持つ意味が出てくる場合があります。

▶ オルカン1本でいいのか?“それで十分な人・足りなくなる人”の違いを現実ベースで徹底整理 / FIRE計画の羅針盤

インデックスファンドを選んだから判断がすべて終わるわけではありません。
ただし、判断する場所をかなり減らせる。ここが強いところです。

「つまらないインデックス」がFIREとは相性がいい理由

インデックス投資には、「つまらない」という弱点があります。
毎月同じ投資信託を積み立てる。相場が上がっても下がっても基本的には続ける。個別企業を当てる喜びも、テーマ株を探す楽しさも少ない。投資好きからすれば、かなり退屈です。

でもFIREを目指している会社員にとって、この退屈さは必ずしも欠点ではありません。
仕事をしながら企業分析を続ける時間は限られます。40代になれば、仕事だけでなく健康、親のこと、住まい、退職準備など、考えることはむしろ増えていきます。その中で投資に毎日2時間使えば、その時間も人生のコストです。

インデックス投資は、投資判断をゼロにはしませんが、「今日は何を買うか」、「売るべきか」、「来年伸びる業種は何か」と考える頻度を大幅に減らせます。その結果、相場から注意力を取り戻せます。
これは金融商品のリターンとしては表示されません。でもFIREを目指す人にとっては、かなり重要なリターンです。

▶ インデックス投資はつまらない?|それでも選ばれ続ける理由|40代からの現実的な資産形成戦略 / FIRE計画の羅針盤

FIREは、投資を上手にするために人生を使う計画ではなく、「投資によって、人生を自分で使えるようにする計画」です。この順番を逆にしないことが大切です。

アクティブファンドを一部持つことまで否定する必要はない

では、FIREを目指すならすべてインデックスファンドにしなければならないのでしょうか。
そこまで単純でもありません。企業分析が好きな人もいれば、特定のファンドマネージャーの投資哲学に共感する人もいます。
市場全体ではなく、特定の分野や企業群へ投資したいという明確な理由がある場合もあるでしょう。

金融庁が公表しているつみたて投資枠対象商品の中にも、指定インデックス投資信託以外の商品が含まれています。
つまり制度上も、「アクティブファンドだから長期積立に不適切」と一律に扱われているわけではありません。
だから、アクティブファンドを持つこと自体を失敗扱いする必要はありません。問題は「どこまで持つか」です。

FIRE資産の大部分を、「市場平均より勝ちそう」、「最近調子がいい」という理由だけでアクティブ商品へ寄せると、一つの運用判断が人生計画全体へ影響します。
一方、生活の土台となる資産形成はシンプルな低コスト商品で作り、自分の興味やこだわりを反映させる部分だけアクティブファンドや個別株へ回すという考え方もあります。
これは「アクティブは10%まで」といった万能ルールではありません。
大切なのは、アクティブ部分がうまくいかなかったとしても、「FIRE計画そのものまで壊れない設計になっているか」です。

投資信託の本数が増えると、それだけで分散したような気持ちになります。
しかし中身が重複していれば、管理対象だけ増えていることもあります。

▶ 投資信託は何本が正解?|独身おじさんのFIRE視点で見る“増やしすぎの落とし穴” / FIRE計画の羅針盤

何本持つかより、「それぞれに違う仕事があるか」この方が整理しやすいと思います。

アクティブファンドを選ぶ前に「5年後も持てる理由」があるか確認する

アクティブファンドを検討するとき、過去リターンを見ること自体は悪くありません。
むしろ運用実績は重要です。ただし、過去リターンを一番最初に見ると、好成績だったファンドほど魅力的に見えてしまいます。そこで順番を変えます。

  1. 運用方針を見る
  2. 投資対象を見る
  3. ベンチマークがあるなら確認する
  4. 信託報酬と総経費率を見る
  5. 過去の成績を見る

この順番です。見るポイントをまとめると、次のようになります。

確認項目自分に問いかけたいこと
運用目的何を狙うファンドなのか理解しているか
ベンチマーク何と比べるべき商品なのか分かっているか
信託報酬・総経費率追加コストを払う理由を説明できるか
過去の成績最近の好調だけを追いかけていないか
運用方針の一貫性成績不振時にも持ち続ける理由があるか
ポートフォリオでの役割他に持っている商品と役割が重複していないか
FIREへの影響失敗しても退職計画全体が崩れないか

最後の二つは、普通の投資信託比較ではあまり前面に出ません。でもFIREでは、ここがかなり重要です。
例えば5年間インデックスへ負け続けても、運用哲学に納得して持ち続けられるでしょうか。
「3年負けたら売る」と最初から決めているなら、それも一つのルールです。
一番困るのは、買うときには「長期投資」と言いながら、2年ほど不調になると「このファンドはもうダメ」と乗り換え、次に好調な商品へ移ることです。

アクティブファンドでは、商品選びだけでなく、「自分が不調期間へ耐えられるか」まで含めて考えた方がいいと思います。

市場平均に勝つと、FIREが必ず早まるわけではない

ここで、FIREと投資リターンの関係をもう一段考えてみます。
もちろん、同じリスクで高いリターンを得られるなら、FIREは早まります。
3000万円が3500万円になるより4000万円になる方が、経済的自由には近づきます。

ただし、現実には高いリターンを求めるほど、別のものも増えやすくなります。
価格変動。商品選択の難しさ。売買判断。運用コスト。そして「もっと勝てるものがあるのでは」という迷いです。

そこでFIREの速度を考えるときは、期待リターンだけでなく、「途中で脱落するリスク」も一緒に見た方がいい。
年7%を狙って頻繁に商品を乗り換え、暴落時に怖くなって売却してしまう運用と、年5%を前提に無理なく積み立て続けられる運用では、計算上の期待値だけでどちらがFIREへ近いかは決まりません。

実際の人生では、計画を続けられることにも価値があります。
FIRE計画はExcelの最終セルだけで完成するわけではありません。10年、15年、その途中を実際に生きる必要があります。

だから投資信託を選ぶときも、「最も儲かりそうなのはどれか」ではなく、「これなら相場が悪いときも続けられるか」という問いを入れる。これは地味ですが、かなり強い判断軸です。

40代独身FIREほど「投資の勝ち負け」を人生へ持ち込まない

40代でFIREを考えると、20代や30代とは少し事情が違います。
投資に使える期間が短くなってくる一方、退職時期は現実的な数字として近づいてきます。
給与も若い頃より高くなっている場合があり、資産額も大きくなっているので、1%の違いが金額として目立つようになります。
100万円の1%は1万円です。3000万円の1%なら30万円。5000万円なら50万円。
こうなると、「市場平均より1%負けた」という言葉が急に重く見えます。

でも、その50万円だけで人生を採点すると危険です。仮にインデックスより年1%低かったとしても、生活費を十分賄える資産に到達し、嫌なら会社を辞められる状態になったなら、FIREの目的としてはかなり成功しています。
反対に、市場平均を2%上回っていても、そのために毎晩ファンドの成績を調べ、含み損で眠れず、会社を辞めるのが怖いままなら、金融資産は増えていても自由はあまり増えていません。

40代独身の場合、家族の生活設計に合わせなくてよい分、自分で使える自由度は大きい一方、収入源や老後の不安を一人で引き受ける面もあります。
だからこそ、「投資で勝ったかより、自分が壊れずに続けられるか」を重視する意味があります。
FIREのために市場へ参加しているのに、市場との勝負が人生の中心になってしまったら、本末転倒です。

それでもアクティブファンドを選びたいなら、選ぶ理由を一文にする

アクティブファンドを買うべきか迷ったら、一度理由を一文にしてみます。
「最近上がっているから」では弱い。「銀行員に勧められたから」でも弱い。「インデックスより勝てそうだから」だけでもまだ足りません。

もう少し具体的に、「日本の中小型株について自分では分析しきれないため、この運用方針へ調査と銘柄選択を任せたい」、「この投資哲学に納得していて、数年単位でベンチマークへ負ける時期も受け入れられる」くらいまで言えるか。そこまで説明できるなら、少なくとも商品を理解しようとしています。

逆に、買う理由をどう書いても最終的に、「市場平均より儲かってほしい」だけになるなら、低コストのインデックスファンドと比べて追加コストを払う理由をもう一度考えてもいい。

投資は、自分で全部判断しなければならないゲームでもありません。
商品選びや運用のどこまでを自分で決め、どこから仕組みに任せるかを切り分けると、投資はかなり楽になります。

長期積立を続ける証券口座と投資環境を整理し、インデックス・アクティブ双方の選択肢を比較したい場面なら、ここで証券会社の取扱商品や費用も確認できます。

▶ インデックス・アクティブ双方の取扱商品やコストを楽天証券で確認する

ただ、口座を作ったからといって商品を増やす必要はありません。
「持つ理由が説明できるものだけを残す」、その方がFIRE資産は管理しやすくなります。

アクティブかインデックスかより先に、自分の「勝ち」を決めておく

投資の世界では、比較対象がいくらでもあります。日経平均。TOPIX。S&P500。オルカン。NASDAQ100。人気投資家。SNSで資産1億円を公開している人。比較を始めれば、終わりがありません。
自分の資産が5000万円になっても、1億円の人を見れば少なく感じます。
インデックスに勝っても、テンバガーを取った人を見れば自分の投資は平凡に見えます。

だからFIREでは、投資を始める前に別の勝利条件を持っておいた方がいいと思います。
月20万円で無理なく暮らせる。会社を辞めても数年間困らない資産がある。暴落が来ても生活費のために慌てて株を売らなくて済む。嫌な仕事を断れる。週5日働かなくても生きていける。
これらは市場平均との比較では測れません。それでもFIREでは、こちらの方がずっと重要です。

アクティブファンドで年10%取ることが目的ではありません。
インデックスファンドで「正解」を引くことも目的ではありません。
「投資を使って、自分の人生の選択肢を増やすことが目的」です。
この順番が決まっていれば、商品選びで必要以上に迷わなくなります。

まとめ|市場平均に勝つより、自分のFIRE計画を完走する

アクティブファンドとインデックスファンドのどちらがいいのか。
検索すると、「インデックスは低コスト」、「アクティブは信託報酬が高い」、「長期では多くのアクティブファンドが市場平均に勝てない」といった説明が並びます。

これらは重要な情報です。実際、SPIVAの長期データでは、多くのカテゴリーでアクティブファンドの過半数がベンチマークを下回っています。
金融庁の分析でも、国内公募投信について信託報酬や総経費率、長期パフォーマンスを比較する必要性が分かります。

だから、低コストのインデックスファンドを資産形成の中心に置くことには、かなり合理的な理由があります。
一方で、「アクティブファンドは意味ない」と一括りにする必要もありません。
投資哲学や投資対象を理解し、その役割に対するコストとして納得し、不調時にも保有する理由があるなら、選択肢として考えることはできます。

ただし、FIREを目指しているなら最後に一つだけ確認しておきたいです。
「その商品を持つ目的は、市場平均に勝つことなのか」、それとも、「自分が会社に依存しなくても生きられる状態へ近づくことなのか」、この二つは似ていますが、同じではありません。

市場平均に負けても、必要な資産を作り、自分の時間を選べるようになれば、FIREの目的は達成できます。
逆に市場平均へ勝っていても、さらに高いリターンを求めて商品を乗り換え続け、投資から離れられなくなれば、資産は増えても自由は増えていないかもしれません。

  • アクティブファンドを選ぶなら、追加コストに何を期待しているかを説明できること
  • インデックスファンドを選ぶなら、どの指数へ何の目的で投資しているかを理解すること

そして両方に共通する最後の判断軸は、「市場平均と比べる前に、この運用で自分のFIRE計画は前へ進んでいるか」です。

投資で勝つことと、人生で自由になること。FIREを目指すなら、優先したいのは後者だと思います。

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・アクティブファンドとインデックスファンドを比較するなら、信託報酬だけではなく総経費率やその他費用も見ておきたいところです。長期でどのコストが資産形成へ効いてくるのかを、もう一段細かく確認できます。

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▶ 投資信託は何本が正解?|独身おじさんのFIRE視点で見る“増やしすぎの落とし穴” / FIRE計画の羅針盤
・アクティブもインデックスも魅力的に見えて、投資信託が何本にも増えてきた人向けです。商品数ではなく、「それぞれのファンドに違う仕事があるか」で整理するとポートフォリオが見やすくなります。

※本記事は、アクティブファンド、インデックスファンド、投資信託、新NISA等について一般的な考え方を整理したものであり、特定の金融商品の購入、売却、保有を推奨するものではありません。
※株式や投資信託には価格変動および元本割れのリスクがあります。過去の運用成績、ランキング、ベンチマークに対する実績は将来の運用成果を保証するものではありません。
※信託報酬、総経費率、投資対象、ベンチマーク、為替リスク、運用方針等は商品ごとに異なります。投資判断を行う場合は、各商品の最新の交付目論見書、運用報告書、販売会社の情報等をご確認ください。
※本文で紹介したSPIVAの数値は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが定めるファンドカテゴリー、比較指数、期間等に基づく分析です。すべてのアクティブファンドがインデックスファンドを下回ることや、将来も同じ傾向が続くことを示すものではありません。

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