FIREを目指して資産形成をしていると、ある日ふと怖くなることがあります。
それは、相場の暴落ではありません。
もちろん暴落も怖いです。株価が下がる。オルカンの評価額が減る。米国株が崩れる。円高で外貨建て資産が目減りする。新NISAの含み益が吹き飛ぶ。これも十分怖いです。
ただ、それとは別に、もっとじわっと怖いものがあります。
せっかく資産を作っても、
将来そこに税金がかかるのではないか
今は会社員として給料から所得税、住民税、社会保険料を引かれています。
手取りは思ったほど増えない。物価は上がる。社会保険料も重い。生活費も下がらない。
それでも、FIREを目指してコツコツ投資する。新NISAを使う。生活費を見直す。現金比率を考える。毎月の積立を続ける。
そうやってようやく資産が増えてきたときに、次に気になるのが、「資産を持つ側への課税」です。
- 金融所得課税が強化されるのでは
- 金融資産課税が来るのでは
- 新NISAにも将来課税されるのでは
- 1億円の壁の見直しが、いずれ準富裕層にも降りてくるのでは
- FIREを目指して資産を作った人ほど、取れるところから取られるのでは
こういう不安です。かなり嫌な不安です。
- 会社員として働いている間は、給料から取られる
- 資産形成を頑張ったら、今度は投資から取られる
- FIREして労働収入から距離を取ったら、今度は金融資産や金融所得が狙われる
こう考えると、独身おじさんとしては、なかなか胸がざわつきます。
ただ、ここで最初に整理しておきたいことがあります。
この記事では、金融資産そのものに一律で課税される制度が決まったという話をするわけではありません。
現在、実際に制度として存在する・議論されてきた中心は、株式や投資信託の譲渡益・配当などに関わる「金融所得課税」や、極めて高い所得層への負担適正化、いわゆる「1億円の壁」への対応です。
上場株式等の金融所得については、所得税・住民税などを含めて一般に20.315%の税率が使われます。
また、2024年からの新NISAでは非課税保有期間が無期限化され、制度も恒久化されています。
つまり、タイトルでは分かりやすく「金融資産課税」と書いていますが、本文では、次の3つを分けて考えます。
① 金融所得課税
・株式や投資信託の売却益、配当、分配金などにかかる税金の話です。
② 富裕層課税・1億円の壁
・所得が非常に高い人ほど金融所得の割合が高まり、税負担率が下がる問題への対応です。
③ FIRE民の不安としての金融資産課税
・将来的に、資産を持つ人への課税が強まるのではないかという心理的な不安です。
この3つを混ぜると、話がかなり危なくなります。
だからこそ、煽りすぎず、でもFIRE目線では無視せず、丁寧に整理していきます。
- 結論|金融資産課税を怖がりすぎる必要はない。でも「税制変更に弱いFIRE計画」は危険です
- まず「金融資産課税」と「金融所得課税」は分けて考えたい
- なぜ金融所得課税が議論されるのか
- 超富裕層課税は、今すぐ40代独身FIRE民に直撃する話ではない
- 新NISAは増税不安への防波堤になるのか
- 金融所得課税が上がるとFIRE計画はどう変わるのか
- 配当生活は増税リスクに弱いのか
- 「資産を持つ側になる不安」はFIRE民特有の悩みです
- 金融資産課税が怖いから投資しない、はもっと危険です
- FIRE計画でできる増税リスク対策
- 40代独身は「準富裕層予備軍」として考える
- 「増税されるならFIREしない方がいい」のか
- 税制変更に強いFIRE計画とは何か
- まとめ|金融資産課税を怖がるより、税制変更に壊されないFIRE計画を作る
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結論|金融資産課税を怖がりすぎる必要はない。でも「税制変更に弱いFIRE計画」は危険です
最初に結論から言います。「金融資産課税が来たらFIREは即終了、という話ではありません」。
ただし、FIREを目指す人は、税制変更リスクを軽く見すぎない方がいいです。
特に40代独身でFIREを目指す場合、資産形成のゴールは単に「いくら貯めるか」ではありません。
大事なのは、貯めた資産を、どう守り、どう使い、どう取り崩すかです。
| 不安 | 冷静に見たいポイント |
|---|---|
| 金融資産課税が来たら終わりでは? | 現時点で資産そのものへの一律課税が決まっているわけではありません |
| 金融所得課税が上がったらFIREは無理? | 税率変更があれば取り崩し計画への影響はあります |
| 新NISAも将来課税される? | 現行制度では非課税保有期間は無期限化されています |
| 準富裕層も狙われる? | 今すぐ断定はできませんが、資産を持つ側になる意識は必要です |
| 増税が怖いから投資しない方がいい? | それは極端です。投資しないリスクもあります |
金融資産課税や金融所得課税の話が怖いのは、制度変更が自分ではコントロールできないからです。
相場なら、投資額を下げる。現金比率を上げる。商品を分散する。売らずに耐える。ある程度は自分で対応できます。
でも、税制は違います。ある日、制度が変わる。税率が変わる。控除が変わる。社会保険料の扱いが変わる。新しい負担が増える。こうなると、個人では止められません。
だからといって、何もできないわけではありません。
FIREを目指す側ができることは、税制変更があっても一発で詰まないように、計画に余白を持たせることです。
- 税率20.315%が永遠に変わらない前提にしすぎない
- 新NISAだけに過度に依存しすぎない
- 生活費を高く見積もりすぎない
- 取り崩し順を考える
- 現金・課税口座・NISA・年金を組み合わせる
- FIRE後も必要なら少し稼げる余地を残す
金融資産課税を怖がって投資をやめる必要はありません。
でも、税制が今のまま続く前提だけでFIRE計画を作るのは、少し危ういです。
まず「金融資産課税」と「金融所得課税」は分けて考えたい
この話でまず大事なのは、言葉の整理です。
ネット上では、金融資産課税、金融所得課税、資産課税、1億円の壁、富裕層課税、新NISA課税など、いろいろな言葉が混ざって使われがちです。でも、それぞれ意味が違います。
| 言葉 | ざっくりした意味 |
|---|---|
| 金融所得課税 | 株式・投資信託などの譲渡益や配当など、金融所得にかかる税金 |
| 金融資産課税 | 金融資産そのものに課税するイメージで語られることが多い言葉 |
| 資産課税 | 保有資産に着目した課税全般を指す広い言葉 |
| 1億円の壁 | 高所得層で金融所得割合が高まり、所得税負担率が下がるとされる問題 |
| 富裕層課税 | 所得や資産が大きい層への課税強化の総称として使われる言葉 |
現在、個人投資家に直接関係しやすいのは、まず「金融所得課税」です。
株式や投資信託を売却して利益が出た場合、その利益に課税されます。配当や分配金にも課税されます。
特定口座で源泉徴収ありにしていれば、自動的に税金が差し引かれます。
一方で、金融資産課税という言葉は、資産そのものに毎年課税するようなイメージで語られることがあります。
たとえば、預金や株式、投資信託などの保有額に対して、一定の税金をかけるようなイメージです。
ただし、現時点で日本で一般的な個人の金融資産そのものに毎年一律で課税する制度が決まっているわけではありません。ここを混同すると、必要以上に不安になります。
とはいえ、FIREを目指す側としては、金融所得課税の見直しや富裕層課税の議論があるだけでも、心理的にはかなり気になります。
なぜなら「FIREは、労働所得から金融資産・金融所得へ生活の土台を移していく生き方」だからです。
会社員として働いている間は、給与所得が中心です。でもFIRE後は、資産の取り崩し、配当、分配金、投資信託の売却益、預金、年金などが生活の支えになります。
つまり、金融所得への課税が変わると、FIRE計画に影響する可能性があります。
なぜ金融所得課税が議論されるのか
金融所得課税が議論される背景には、いわゆる「1億円の壁」があります。
これは、所得が一定以上に高くなると、金融所得の割合が高まることで、所得税の負担率が下がるとされる問題です。
財務省の資料などでも、合計所得金額が1億円を超えるあたりを頂点として、所得税負担率が下がる傾向が示され、その主な要因として、株式譲渡所得などに分離課税が適用されることが挙げられています。
ここで大事なのは、これはもともと「超富裕層・高所得層の税負担の公平性に関する議論」だということです。
普通の40代独身会社員が、新NISAでオルカンを積み立てているだけで、いきなり「1億円の壁」の当事者になるわけではありません。
ただし、心理的には無関係とも言い切れません。なぜなら、FIREを目指す人は、将来的に「資産を持つ側」に回ろうとしているからです。
アッパーマス層。準富裕層。資産3,000万円。資産5,000万円。資産1億円。配当。取り崩し。金融所得。こうした言葉が、自分の人生に近づいてきます。
すると、富裕層課税のニュースを見ても、完全な他人事ではなくなります。
「今は関係ないけど、将来関係してくるのでは」、「頑張って資産を作ったら、そのタイミングで増税されるのでは」、「FIREできる頃には税制が変わっているのでは」、こういう不安が出ます。
これは自然です。FIREを目指す人は、将来の自由を得るために、今の消費を抑えています。
だからこそ、将来のルール変更には敏感になります。
超富裕層課税は、今すぐ40代独身FIRE民に直撃する話ではない
最近は、極めて高い所得の人に対する負担適正化措置、いわゆる「ミニマムタックス」も話題になります。
国税庁は、令和5年度税制改正で、税負担の公平性を確保する観点から、極めて高い水準の所得を対象とする負担適正化措置が設けられたと説明しています。対象は非常に高い所得水準の人であり、一般的な会社員投資家がただちに対象になる制度ではありません。
ここは冷静に見たいところです。FIREを目指している40代独身が、資産3,000万円、5,000万円、1億円を目指すとしても、それだけで直ちに超富裕層向け課税の対象になるわけではありません。
税制の対象は、所得なのか、資産なのか、売却益なのか、配当なのかによってまったく違います。
たとえば、資産が5,000万円あっても、売却しなければ譲渡益は発生しません。
新NISA内の運用益は、現行制度上は非課税です。
特定口座で売却益が出れば課税されます。配当や分配金にも課税があります。
つまり、資産額だけで単純に「増税される」と考えるのは雑です。
ただし、FIRE目線では、ここで終わらせない方がいいです。
今すぐ対象ではない。だから何も考えなくていい。そういう話でもありません。
制度は変わります。いまの超富裕層向けの話が、将来どのように変わるかは分かりません。
金融所得課税の見直しが、どの範囲まで広がるかも分かりません。
だからこそ、FIRE計画では、「今の税制が永遠に続く前提だけで資産計画を作らない」ことが大事です。
新NISAは増税不安への防波堤になるのか
金融所得課税の話になると、「新NISAの重要性」はかなり大きくなります。
新NISAでは、非課税保有期間が無期限化され、制度も恒久化されています。年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円、非課税保有限度額は総枠1,800万円と説明されています。
これは、FIREを目指す人にとってかなり大きいです。
特定口座で投資していれば、売却益や配当に課税されます。
でも、新NISA内であれば、現行制度では運用益が非課税です。
つまり、金融所得課税が気になる人ほど、新NISAをどう使うかは重要になります。
| 口座 | 税金の扱い | FIRE目線の意味 |
|---|---|---|
| 新NISA | 現行制度では運用益が非課税 | 長期資産形成の中心にしやすいです |
| 特定口座 | 売却益・配当などに課税 | FIRE後の取り崩しで税負担を考える必要があります |
| 預金 | 利息に課税 | 生活防衛資金として重要ですが、インフレには弱い面があります |
| iDeCo | 掛金控除・運用益非課税などのメリットがあります | 受け取り時の税制と資金拘束に注意が必要です |
ただし、新NISAにも過信は禁物です。
新NISAは強い制度です。でも、新NISAだけでFIRE計画が完成するわけではありません。
- 生活費が高ければ、必要資産額は大きくなります
- 新NISA枠を埋めても、FIRE資産としては足りない場合があります
- FIRE後の生活費、税金、国保、医療費、家賃、予備費は別に考える必要があります
- NISA口座の損失は、特定口座の利益と損益通算できない点にも注意が必要です
つまり、新NISAは増税不安への防波堤になります。でも、防波堤だけで家は建ちません。
FIRE計画全体では、新NISA、特定口座、現金、年金、生活費、取り崩し順を組み合わせる必要があります。
金融所得課税が上がるとFIRE計画はどう変わるのか
では、もし将来、金融所得課税が強化されたら、FIRE計画にはどんな影響があるのでしょうか。
一番分かりやすいのは、「特定口座での取り崩し」です。
たとえば、特定口座で投資信託を売却し、利益が出ている場合、その利益部分に課税されます。
税率が上がれば、手取りは減ります。FIRE後の生活費を、特定口座の取り崩しに大きく頼っている場合、税引き後の手取りが想定より減る可能性があります。
| 変化 | FIRE計画への影響 |
|---|---|
| 金融所得課税が上がる | 特定口座の売却益・配当の手取りが減る可能性があります |
| 配当課税が重くなる | 高配当株・高配当ETF戦略の魅力が下がる可能性があります |
| 取り崩し時の税負担が増える | 必要な売却額が増える可能性があります |
| NISAの価値が相対的に高まる | 非課税枠の重要性が上がります |
| 現金・年金との組み合わせが重要になる | 単一の資産に頼りすぎない設計が必要です |
ここで大事なのは、税率が変わると、「必要資産額そのものが変わる可能性がある」ことです。
たとえば、年間240万円の生活費が必要だとします。
税金を考えずに、単純に月20万円取り崩せばいいと考えるのは危険です。
実際には、売却益への課税、住民税、国民健康保険料、年金、医療費、家賃、予備費などを考える必要があります。
FIRE後は、会社員時代のように給与から天引きされる感覚ではありません。
自分で払う感覚が強くなります。だから、税制変更に弱いFIRE計画は危険です。
配当生活は増税リスクに弱いのか
金融所得課税の強化が気になると、「配当生活」にも不安が出ます。
高配当株。高配当ETF。配当金で生活するFIRE。毎月分配。不労所得。こういう言葉は魅力的です。
働かずにお金が入る。資産を売らずに暮らせる。配当金だけで生活費をまかなえる。かなり夢があります。
ただし、「配当生活は税制の影響を受けやすい」面があります。
配当には課税があります。特定口座で受け取る配当は、税引き後の金額が手取りになります。
もし配当課税が重くなれば、同じ配当額でも手取りは減ります。
| 配当生活の魅力 | 税制面の注意点 |
|---|---|
| 売却せずに収入を得られる | 配当には課税があります |
| 不労所得感がある | 税引き後の手取りで考える必要があります |
| 生活費の一部を補える | 税率変更で手取りが変わる可能性があります |
| 精神的に安心しやすい | 減配や株価下落もあります |
配当生活が悪いという話ではありません。
ただ、FIREを配当だけに依存すると、増税や減配に弱くなる可能性があります。
配当。売却益。新NISA。現金。年金。少しの労働収入。これらを組み合わせた方が、FIRE計画としては柔軟です。
「資産を持つ側になる不安」はFIRE民特有の悩みです
金融資産課税の話がFIRE民に刺さるのは、単に税金が嫌だからではありません。
もっと根っこにあるのは、「資産を持つ側になる不安」です。
FIREを目指すということは、資産形成を進めるということです。最初は、資産が少ない側です。
貯金100万円。300万円。500万円。1,000万円。3,000万円。5,000万円。少しずつ積み上げます。
すると、ある段階から、自分が「資産を持つ側」に近づいていきます。これは嬉しいことです。
でも同時に、不安も増えます。暴落したらどうしよう。詐欺に遭ったらどうしよう。証券口座を乗っ取られたらどうしよう。インフレで現金が目減りしたらどうしよう。増税されたらどうしよう。社会から「持っている人」と見られたらどうしよう。こういう不安です。
会社員として税金を取られる側だった人が、資産形成を頑張った結果、今度は「資産を持つ人」として別の不安を背負う。
これはなかなか皮肉です。でも、FIREを目指すなら避けられません。
資産を持つことは、自由を増やすことです。同時に、守るものが増えることでもあります。
金融資産課税が怖いから投資しない、はもっと危険です
金融資産課税や金融所得課税の強化が怖い。だから投資しない。これは一見、守りの判断に見えます。
でも、FIRE目線ではかなり危険です。なぜなら、「投資しないリスク」もあるからです。
物価高。円安。預金金利とインフレの差。年金不安。老後医療費。家賃上昇。税金・社会保険料負担。こうしたものを考えると、現金だけで将来の自由を作るのはかなり難しいです。
| 投資しない理由 | 見落としやすいリスク |
|---|---|
| 課税が怖い | インフレで現金価値が下がる可能性があります |
| 暴落が怖い | 預金だけでは資産形成が進みにくいです |
| 制度変更が怖い | 制度変更は預金・年金・社会保険にも起こり得ます |
| 損したくない | 何もしないことで老後不安が残る可能性があります |
金融所得課税が上がるかもしれない。これは確かに不安です。
でも、課税があるから投資しないというのは、少し極端です。
「税金を払うということは、基本的には利益が出ているということ」でもあります。
もちろん、税金は少ない方が嬉しいです。でも、税金が怖いから利益を取りに行かないというのは、FIRE計画としてはかなりもったいないです。
大事なのは、税制変更を前提にしながら、それでも投資を続ける設計です。
FIRE計画でできる増税リスク対策
では、FIREを目指す40代独身は、金融所得課税や金融資産課税への不安にどう備えればいいのでしょうか。
完璧な対策はありません。制度変更を個人が止めることはできません。ただし、できることはあります。
1. 新NISAを優先的に使う
現行制度で非課税メリットがある新NISAは、やはり重要です。
特定口座で投資する前に、新NISA枠をどう使うかを考える価値は高いです。
ただし、生活防衛資金を削ってまで無理に埋める必要はありません。非課税枠より、生活が先です。
2. 特定口座の取り崩し税を考えておく
FIRE後の生活費を計算するときは、税引き前ではなく、「税引き後の手取り」で考える必要があります。
利益が出ている資産を売却する場合、税金がかかります。税率が変わる可能性もあります。
だから、取り崩し計画には余裕を持たせた方がいいです。
3. 配当だけに依存しない
配当生活は魅力的ですが、「配当課税や減配リスク」があります。
配当だけでなく、売却益、NISA、現金、年金、必要なら軽い労働収入を組み合わせる方が柔軟です。
4. 生活費を下げる
増税リスクへの最も地味で強い対策は、「生活費を下げること」です。
生活費が低ければ、必要な取り崩し額も減ります。
取り崩し額が減れば、課税対象となる利益も抑えやすくなります。
「生活費を下げることは、税制変更への耐性を上げること」でもあります。
5. FIRE後も少し稼げる余地を残す
完全に資産だけで暮らすより、「少し稼げる余地」があると安心です。
短期バイト。個人事業。ゆるい仕事。サイドFIRE。収入源が少しあるだけで、取り崩し額を減らせます。
取り崩し額が減れば、税制変更への影響も和らぎます。
| 対策 | FIRE目線の効果 |
|---|---|
| 新NISAを使う | 非課税枠を活用できます |
| 税引き後で取り崩し計画を作る | 実際の手取りに近い計画になります |
| 配当だけに頼らない | 税制・減配リスクを分散できます |
| 生活費を下げる | 必要資産額と取り崩し額を下げられます |
| 少し稼げる余地を残す | 資産取り崩し依存を下げられます |
▶ FIRE資産はいつ取り崩す?|お金を減らさない取り崩しの順番 / FIRE計画の羅針盤
・FIRE後にどの資産から使うか、取り崩しの順番を考えたい方におすすめです。
40代独身は「準富裕層予備軍」として考える
40代独身でFIREを目指す場合、目標資産として3,000万円、5,000万円、1億円あたりを意識することが多いと思います。
このうち、3,000万円以上になるとアッパーマス層、5,000万円以上になると準富裕層という言葉も使われます。
もちろん、これらは一般的な資産階層の目安であって、税制上の直接の区分ではありません。
ただ、FIRE目線では心理的に大きな意味があります。
資産が少ないうちは、増やすことだけを考えます。でも、資産が増えてくると、今度は守ることを考えます。
| 資産形成の段階 | 主な不安 |
|---|---|
| 資産500万円未満 | まず増やせるか不安です |
| 資産1,000万円前後 | 投資を続けるべきか迷います |
| 資産3,000万円前後 | 守りと攻めのバランスが気になります |
| 資産5,000万円前後 | FIREできるか、税金や取り崩しが気になります |
| 資産1億円前後 | 資産を持つ側としての防衛が重要になります |
金融所得課税や金融資産課税の話が気になるのは、ある意味では、資産形成が進んでいる証拠でもあります。
ただし、まだそこまで資産がない段階で、増税不安に怯えすぎるのも違います。
40代独身が考えるべきなのは、「今すぐ富裕層課税を心配すること」ではなく、「将来自分が資産を持つ側になったとき、どんな税制変更にも耐えられる計画にしておくこと」です。
▶ アッパーマス層なのにFIREできない?|準富裕層が見えても会社を辞められない40代独身の現実 / FIRE計画の羅針盤
・資産が増えても会社を辞められない不安を、アッパーマス層目線で整理しています。
「増税されるならFIREしない方がいい」のか
金融所得課税が強化されるかもしれない。金融資産課税のような議論が将来出るかもしれない。
そう考えると、FIREしない方がいいのではと思うかもしれません。でも、私はそうは思いません。
FIREの意味は、税金をゼロにすることではありません。会社に人生を握られすぎないことです。
- 嫌な仕事を断れること
- 体調を崩したときに休めること
- 親の介護が来ても詰まないこと
- 転職や退職を選べること
- 生活費を自分でコントロールできること
- お金の不安で思考停止しないこと
これがFIREの価値です。税制が変わっても、この価値がなくなるわけではありません。
もちろん、増税は嫌です。税負担が増えれば、FIRE計画は厳しくなります。
でも、それでも資産がある人とない人では、選択肢が違います。
資産があれば、増税されてもまだ対応できます。
資産がなければ、増税にも物価高にも会社にも振り回されやすくなります。
だから、増税不安を理由に資産形成を止めるのは、かなりもったいないです。
税制変更に強いFIRE計画とは何か
税制変更に強いFIRE計画とは、税率を完全に予想する計画ではありません。
そんなことはできません。大事なのは、どこか一つに依存しすぎないことです。
| 依存しすぎるもの | 弱点 |
|---|---|
| 特定口座の売却益だけ | 金融所得課税の影響を受けやすいです |
| 配当だけ | 配当課税・減配リスクがあります |
| 新NISAだけ | 枠の上限があり、損益通算もできません |
| 現金だけ | インフレに弱いです |
| 年金だけ | 受給開始までの空白期間があります |
| 労働収入だけ | 働けなくなったときに弱いです |
だから、組み合わせる。新NISA。特定口座。現金。年金。生活費削減。少しの収入。健康管理。住まいの戦略。これらを組み合わせることで、税制変更への耐性が上がります。
FIREは、税率を当てるゲームではありません。変わる制度の中で、生活を守るゲームです。
まとめ|金融資産課税を怖がるより、税制変更に壊されないFIRE計画を作る
「金融資産課税が来たらFIREは詰むのか?」、結論としては、すぐにそう決めつける必要はありません。
現時点で、一般的な個人の金融資産そのものに一律で課税する制度が決まっているわけではありません。
実際に中心となっているのは、金融所得課税、1億円の壁、極めて高い所得層への負担適正化といった論点です。
一方で、FIREを目指す人にとって、この話が不安なのは当然です。
FIREは、労働所得から金融資産・金融所得へ生活の軸を移す生き方です。
だから、金融所得課税の見直しや富裕層課税の議論は、将来の自分に関係しそうに見えます。
ここで大事なのは、煽られすぎないことです。
- 金融資産課税が来るから投資は終わり
- 新NISAもいずれ課税されるに違いない
- 資産を持つと損だから、貯めても意味がない
こう考えるのは極端です。ただし、楽観しすぎるのも違います。
- 今の税制がずっと続く
- 20.315%は永遠に変わらない
- 新NISAさえあれば全部安心
- 配当生活なら税制変更に強い
こう決めつけるのも危険です。
40代独身がFIREを目指すなら、税制変更があっても一発で崩れない計画にしておきたいところです。
- 新NISAを活用する
- 特定口座の取り崩し税を考える
- 配当だけに頼らない
- 生活費を下げる
- 現金を持つ
- 年金も見込む
- FIRE後も少し稼げる余地を残す
- 取り崩し順を考える
- 税引き後の手取りで生活費を計算する
こうした地味な準備が、増税リスクへの現実的な防御になります。
金融資産課税という言葉は怖いです。でも、本当に怖いのは、税制変更そのものより、税制変更にまったく耐えられないFIRE計画です。
FIREは、制度が完璧に自分に有利なまま続く前提で作るものではありません。
物価も変わる。税制も変わる。相場も変わる。自分の健康も変わる。働き方も変わる。
その中で、それでも会社への依存度を少しずつ下げていく。
これが、40代独身の現実的なFIRE戦略だと思います。
増税が怖いから資産形成をやめるのではなく、増税されても簡単には詰まない形で資産形成を続ける。
金融資産課税の不安に対する答えは、そこにあるのではないでしょうか。
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