株式市場を見ていると、ときどき理性が吹き飛びそうになる瞬間があります。
AI株が上がる。半導体株が上がる。防衛株が上がる。宇宙株が上がる。量子コンピューター関連株が上がる。
SNSでは「まだ初動」、「ここから本番」、「乗り遅れるな」という言葉が流れてくる。
すると、心の中の何かが騒ぎ出します。「これ、買わないと置いていかれるのでは?」、「難しく考えずに、上がっている株を買えばいいのでは?」、「決算短信とかPERとか見ている間に、株価だけ先に行ってしまうのでは?」、「もう理屈じゃない。勢いだ」、この状態、かなり危険です。
そして、最近の投資界隈では、こういう勢い重視の投資行動を、少し自虐的に「モメチン」と呼ぶことがあります。
モメチンとは、モメンタムチンパンジーの略として使われるネットスラングで、株価の上昇の勢い、つまりモメンタムを重視して、「さらに上がるだろう」と飛び乗る投資行動や、そうした投資家を指す言葉として紹介されています。公式な金融用語というより、ネット上の投資スラングに近い言葉です。
正直、言葉の響きは少しふざけています。でも、投資家心理としてはかなり本質を突いています。
なぜなら、多くの個人投資家は、上がっている株を見ると買いたくなるからです。
これは初心者だけではありません。40代の独身おじさんでも普通に起こります。
むしろ、FIREを目指している人ほど起こりやすいかもしれません。
なぜなら、FIREを目指す人は「資産を増やしたい」という気持ちが強いからです。
普通に働いて、普通に積み立てて、普通に増やす。それが王道だと頭ではわかっています。
でも、横でAI株が急騰している。半導体株が何倍にもなっている。SNSでは爆益報告が流れている。自分のオルカンは地味に数%。高配当株は動きが鈍い。
こうなると、心の中の独身おじさんが叫びます。「俺も、そっち側に行きたい」。
この記事では、モメチン投資はFIREに向いているのか、モメンタム投資や勢い相場とどう付き合うべきかを、40代独身のFIRE目線で整理します。
モメンタム投資とは何か。モメチン投資の何が危険なのか。なぜ高値掴みしてしまうのか。
AI・半導体・テーマ株に飛び乗りたくなったとき、どう止まるのか。
そして、FIRE資産を壊さずに「攻めの投資」とどう付き合うのか。
そのあたりを、コンプラに配慮しながら、公開記事として使える形でまとめていきます。
なお、本記事は特定の銘柄、テーマ、金融商品、投資手法を推奨するものではありません。モメンタム投資、個別株投資、テーマ株投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身のリスク許容度、資産状況、投資目的を踏まえて行ってください。
- 結論|モメチン投資はFIRE資産の主役にしてはいけません
- モメチンとは何か|上がっている株に飛び乗りたくなる投資家心理
- モメンタム投資とモメチン投資は似ているようで違います
- なぜ独身おじさんはモメチン化してしまうのか
- モメチン投資がFIREに向かない理由
- 高値掴みはなぜ起きるのか
- モメチン投資をするなら資産の何%までか
- 買う前に確認したいモメチン防止チェックリスト
- モメチン投資とテクニカル指標の関係
- モメチン投資と決算短信の関係
- 新NISAでモメチン投資をしてもいいのか
- モメチン投資を完全否定しない理由
- モメチン化を防ぐためのマイルール
- 独身おじさんの心のチンパンジーとの付き合い方
- まとめ|モメチン投資は遊撃部隊、本丸はFIRE資産の安定運用です
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結論|モメチン投資はFIRE資産の主役にしてはいけません
最初に結論です。モメチン投資は、FIRE資産の主役にしてはいけません。
ただし、完全に悪と決めつける必要もありません。ここが大事です。
勢いのある株を買うこと自体が、必ず間違いというわけではありません。
モメンタム投資という考え方自体は、投資の世界で昔から議論されてきたものです。
FINRAは、モメンタム投資を、急速に上昇または下落している株式を取引し、価格が反対方向へ動き始める前に撤退しようとする売買戦略として説明しています。
つまり、モメンタム投資は短期的な値動きを利用しようとするマーケットタイミング型の投資戦略です。
また、過去に値上がりした銘柄を買い、値下がりした銘柄を売る戦略に関する有名な研究もあります。Jegadeesh and Titmanの1993年の論文は、過去に勝っていた銘柄を買い、負けていた銘柄を売る戦略が一定期間でリターンを生む可能性を示した研究として知られています。
つまり、「上がっているものには勢いが残ることがある」という考え方には、まったく根拠がないわけではありません。
問題はそこではありません。問題は、個人投資家がそれを「雰囲気だけでやること」です。
ルールなし。撤退条件なし。資金管理なし。保有理由なし。決算確認なし。
ただ上がっているから買う。SNSで盛り上がっているから買う。乗り遅れたくないから買う。これが危ないのです。
| 投資行動 | FIRE目線での評価 |
|---|---|
| ルールあるモメンタム投資 | 上級者向け。資金管理ができるなら一部活用の余地あり |
| 勢いだけのモメチン投資 | 高値掴み・損切り遅れ・資産破壊につながりやすい |
| 長期積立投資 | FIRE資産の土台になりやすい |
| 個別株の計画的な投資 | 分析と分散があれば補助戦力になる |
| SNSに釣られた飛び乗り | 一番危ない。買う理由より買いたい気持ちが先に来る |
FIREを目指すなら、モメチン投資は「主力部隊」ではなく「遊撃部隊」です。
家計の中心。新NISAの中心。老後資金の中心。退職後の生活費の中心。ここに置いてはいけません。
使うとしても、資産の一部。失っても生活が壊れない範囲。ルールを決めた範囲。撤退条件を決めた範囲。この程度にとどめるべきです。
モメチンとは何か|上がっている株に飛び乗りたくなる投資家心理
モメチンという言葉は、少し笑える言葉です。でも、笑って済ませられない怖さがあります。
モメチン的な投資行動とは、ざっくり言えば、次のような状態です。
株価が上がっている。出来高が増えている。SNSで話題になっている。ニュースで取り上げられている。テーマ性が強い。自分はまだ持っていない。今からでも間に合う気がする。買わないと損した気分になる。
そして、深く調べる前に買ってしまう。これは、投資手法というより心理状態です。
とくに危ないのは、「買う理由が後付けになること」です。
本当は、上がっているから買いたいだけ。でも、それだと自分でも不安なので、後から理由を探します。
AIはこれから伸びる。半導体は国策だ。防衛費は増える。宇宙産業は夢がある。量子コンピューターは未来だ。データセンターは需要がある。電力インフラは必要だ。
もちろん、これらのテーマ自体が間違いとは限りません。
問題は、テーマの正しさと、その銘柄をその価格で買っていいかは別問題だということです。
| よくあるモメチン思考 | 冷静に見るべきポイント |
|---|---|
| AIは成長するから買う | その会社の利益にどうつながるのか |
| 半導体は強いから買う | すでに株価に織り込まれていないか |
| 国策だから買う | 受注・利益・採算性はどうか |
| SNSで話題だから買う | 話題化した時点で遅くないか |
| みんな儲かっているから買う | 自分が最後の買い手になっていないか |
FIREを目指す投資家にとって大事なのは、テーマの夢に乗ることではありません。資産を守りながら増やすことです。
夢は大事です。でも、退職後の生活費を夢に全振りすると、かなり怖いです。
モメンタム投資とモメチン投資は似ているようで違います
ここはかなり重要です。モメンタム投資とモメチン投資は、似ているようで違います。
モメンタム投資は、「一定のルールに基づいて、価格の勢いや相対的な強さを見て投資する考え方」です。
一方、モメチン投資は、「勢いに感情で飛び乗る投資」です。この違いを混同すると危険です。
| 項目 | モメンタム投資 | モメチン投資 |
|---|---|---|
| 判断基準 | 価格の勢い、相対的な強さ、ルール | 雰囲気、SNS、焦り、欲望 |
| 資金管理 | 事前に決める | 買ってから考える |
| 撤退条件 | 損切り・利確・トレンド崩れで決める | 下がってから悩む |
| 銘柄選び | 比較や検証をする | 話題の銘柄に飛びつく |
| FIREとの相性 | 一部なら検討余地あり | 主力にすると危険 |
ここで誤解したくないのは、モメンタム投資そのものを否定しているわけではないということです。
株価の勢いを見ることは、投資判断の一部として意味があります。
実際、強い銘柄がさらに強くなる局面はあります。
上昇トレンドに乗ることで利益を得られることもあります。
ただし、それをやるならルールが必要です。
- どの条件で買うのか
- どの条件で売るのか
- 何%下がったら撤退するのか
- 決算が悪化したらどうするのか
- ポジションサイズはいくらまでにするのか
- FIRE資産全体の何%まで許容するのか
これを決めずにやると、ただのモメチンになります。
「モメンタム投資は戦略」、「モメチン投資は衝動」、この違いです。
なぜ独身おじさんはモメチン化してしまうのか
40代独身おじさんは、意外とモメチン化しやすいです。理由は簡単です。
自分のお金を、自分の判断で動かせるからです。
家庭内稟議がありません。配偶者への説明もありません。子どもの教育費との調整もありません。
夜中に証券口座を開いて、そのまま注文できます。これは自由です。
でも、自由は危険でもあります。特にFIREを目指していると、資産額の伸びに敏感になります。
あと何年で辞められるか。あといくら増えれば安心か。新NISAの枠をどう使うか。個別株で上乗せできないか。高配当株でキャッシュフローを作れないか。
こう考えているところに、急騰銘柄が現れます。すると、心が揺れます。
「ここで取れれば、FIREが近づく」、「この波に乗れれば、一気に資産が増える」、「積立だけでは時間がかかりすぎる」、「俺も少しくらい攻めたい」、この心理が、かなり危ない。
特に、独身おじさんは失敗しても自分だけで受け止められる分、逆にブレーキが弱くなることがあります。
| モメチン化しやすい心理 | 起きる行動 |
|---|---|
| FIREを早めたい焦り | 急騰株に飛び乗る |
| SNSの爆益報告への嫉妬 | 自分も同じ銘柄を買いたくなる |
| 積立投資の地味さへの不満 | 派手なテーマ株に資金を回す |
| 独身ゆえの自由度 | 誰にも止められず注文できる |
| 仕事への不満 | 一発逆転で退職を早めたくなる |
モメチン投資の本当の敵は、銘柄ではありません。「自分の焦り」です。
FIREを急ぐ気持ち。置いていかれる不安。他人の利益への嫉妬。地味な積立への飽き。これが、投資判断をゆがめます。
モメチン投資がFIREに向かない理由
モメチン投資がFIREに向かない理由は、FIREに必要なものと相性が悪いからです。
FIREに必要なのは、「再現性」です。
毎月の入金。生活費の管理。長期投資。分散。税金と社会保険の理解。暴落時に売らない仕組み。退職後の現金管理。こうした地味な要素の積み重ねがFIREです。
一方、モメチン投資は派手です。短期間で上がるかもしれない。一気に含み益が増えるかもしれない。SNSで話題の銘柄に乗れるかもしれない。
でも、その分、下落も速いです。上がっている株ほど、期待が剥がれたときの下落も大きくなりやすいです。
高値掴みしたあとに下がる。損切りできない。ナンピンする。資金が固定される。他の投資に回せない。FIRE計画が遅れる。これが最悪の流れです。
| FIREに必要なもの | モメチン投資で起きやすいこと |
|---|---|
| 安定した入金力 | 急騰銘柄に資金を集中させる |
| 分散投資 | 一つのテーマに偏る |
| 長期目線 | 短期の値動きに振り回される |
| 生活防衛資金 | 現金まで投資に回したくなる |
| 退職後の安心感 | 含み損でメンタルが削られる |
FIREを目指すなら、資産形成はマラソンです。モメチン投資は、途中で急に全力疾走するようなものです。
短距離なら速いかもしれません。でも、息切れしたら終わりです。
高値掴みはなぜ起きるのか
モメチン投資の最大のリスクは、「高値掴み」です。
高値掴みとは、株価がかなり上がったところで買って、その後下落して含み損を抱えることです。
これは誰でもやります。私も、やる気持ちはものすごくわかります。
株価が上がっているときは、買う理由がたくさん見つかります。
ニュースが明るい。業績期待がある。アナリストが強気。SNSが盛り上がる。チャートがきれい。出来高も増えている。「まだ上がる」と思える。
でも、ここで一番怖いのは、「良い情報がすでに株価に織り込まれている」可能性です。
会社が良いことと、株価が今から上がることは別です。
成長企業であっても、高すぎる価格で買えば損をします。
優良企業であっても、期待が剥がれれば下がります。
テーマ性が強くても、利益が伴わなければ冷めます。
| 高値掴みしやすい局面 | 注意点 |
|---|---|
| SNSで急に話題になる | すでに多くの人が買った後かもしれません |
| 決算後に急騰する | 好決算でも期待値が高すぎる場合があります |
| テーマ株が連日上昇する | テーマ全体が過熱している可能性があります |
| ニュースで大きく取り上げられる | 短期の材料出尽くしに注意です |
| 自分だけ乗れていない気がする | FOMOが判断を狂わせます |
「FOMO」という言葉があります。「Fear of Missing Out」、取り残される恐怖です。
投資では、このFOMOがかなり厄介です。「買いたい」ではなく、「買わないと損した気がする」になったら危険信号です。
モメチン投資をするなら資産の何%までか
ここはかなり実務的な話です。モメチン的な投資を完全にゼロにできる人は、それでいいです。
新NISAでインデックス投資。生活防衛資金を確保。個別株はやらない。SNSの急騰株は見ない。
これができるなら、かなり強いです。でも、現実には、少しは攻めたい人もいると思います。
AI株を見たい。半導体株も気になる。防衛関連も気になる。テーマ株で一部チャレンジしたい。投資を少し楽しみたい。その場合は、「資産全体の中で上限を決める」べきです。
| 資産配分の考え方 | モメチン枠の扱い |
|---|---|
| 生活防衛資金 | 絶対に使わない |
| 新NISAの長期積立部分 | 基本は崩さない |
| 退職後に必要な現金 | 使わない |
| コア資産 | インデックス・長期保有中心 |
| サテライト枠 | ここで少額だけ攻める |
個人的には、モメチン的な投資をするなら、資産全体の5%以内、攻めても10%以内くらいに抑える考え方が現実的だと思います。
もちろん、これは一例であり、万人に当てはまる基準ではありません。重要なのは、自分で上限を決めることです。
「気づいたら資産の30%がテーマ株」、「生活防衛資金まで半導体株」、「新NISAの長期枠まで短期テーマ株」、これはかなり危険です。
FIRE資産は、人生の逃げ切り資金です。遊撃部隊に本丸を明け渡してはいけません。
買う前に確認したいモメチン防止チェックリスト
勢いで買いたくなったときは、すぐ注文しない方がいいです。まずチェックリストで確認しましょう。
| チェック項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| なぜ買いたいのか説明できるか | 勢いだけの購入を防ぐためです |
| 決算内容を見たか | 業績が伴っているか確認するためです |
| すでに何%上がっているか | 高値掴みを避けるためです |
| 時価総額と利益の関係を見たか | 期待が過大でないか見るためです |
| 損切りラインを決めたか | 下落時に固まらないためです |
| 買う金額は資産全体の何%か | 集中投資を防ぐためです |
| SNS以外の情報を見たか | 雰囲気投資を避けるためです |
| 明日下がっても持てるか | 短期の値動きに耐えられるか確認するためです |
このチェックを通しても買いたいなら、少額で買うのはありです。
でも、チェックする前に買いたいなら、それはかなり危ないです。
特に危険なのは、夜中の注文です。仕事で疲れている。SNSを見ている。急騰銘柄が流れてくる。自分の資産推移に少し不満がある。酒も少し入っている。
この状態で成行注文は、本当に危ない。独身おじさんの夜の証券口座は、魔境です。
モメチン投資とテクニカル指標の関係
モメチン投資を防ぐには、テクニカル指標も役に立ちます。
ただし、テクニカル指標を使えば必ず勝てるという意味ではありません。
テクニカル指標は、「感情を少し落ち着かせるための道具」です。
株価が上がっているとき、人間は「まだ上がる」と思いがちです。
でも、チャートを見ると、短期的に過熱している場合があります。
移動平均線から大きく乖離している。RSIが高すぎる。出来高が急増している。ボリンジャーバンドの上限を突き抜けている。短期間で急騰しすぎている。
こうしたサインを見ることで、少なくとも「今すぐ全力買い」は避けやすくなります。
| 見る指標 | モメチン防止に役立つ点 |
|---|---|
| 移動平均線 | トレンドと過熱感をざっくり確認できます |
| RSI | 短期的な買われすぎ感を見られます |
| 出来高 | 人気化や過熱を確認できます |
| ボリンジャーバンド | 急騰局面の行き過ぎ感を見られます |
| 高値からの位置 | 追いかけ買いかどうかを判断できます |
ただし、テクニカル指標も万能ではありません。「RSIが高いから必ず下がる」わけではありません。「移動平均線を超えたから必ず上がる」わけでもありません。
大事なのは、勢いで買う前に一呼吸置くことです。
テクニカル指標は、「投資のブレーキ役」です。アクセルを踏むためだけに使うと危険です。
モメチン投資と決算短信の関係
モメチン投資で忘れがちなのが、「決算」です。
勢いのある株を見ると、チャートやSNSばかり見てしまいます。でも、最終的に株価を支えるのは、利益です。
もちろん、成長株やテーマ株では、短期的に利益より期待が先行することもあります。
それでも、売上が伸びているのか。営業利益は出ているのか。赤字拡大ではないのか。通期予想はどうか。利益率は改善しているのか。自己資本は十分か。キャッシュフローは大丈夫か。ここを見ないまま買うのは危険です。
| 決算で見る点 | モメチン投資での意味 |
|---|---|
| 売上高の伸び | テーマが実際の需要につながっているか見ます |
| 営業利益 | 本業で稼げているか確認します |
| 通期予想 | 会社側の見通しと市場期待の差を見ます |
| 利益率 | 売上だけ伸びて利益が出ない会社を避けます |
| キャッシュフロー | 資金繰りの不安を確認します |
モメチン的に買いたくなったときほど、決算短信を見るべきです。
逆に言えば、決算短信を読むのが面倒なら、その銘柄に大きなお金を入れるべきではありません。
FIRE資産を守るなら、勢いだけで買ってはいけません。
勢いを見る。でも、決算も見る。この両方が必要です。
新NISAでモメチン投資をしてもいいのか
ここはかなり重要です。「新NISAでモメチン投資をしてもいいのか」。
制度上、成長投資枠で個別株を買える場合があります。
だから、モメンタム株やテーマ株を買うこと自体は可能です。
でも、FIRE目線では慎重に考えた方がいいです。
新NISAは非課税制度です。長期で資産形成するための大切な枠です。
金融庁も、NISAを活用した資産形成に関連して、長期・積立・分散投資の考え方を紹介しており、投資商品には預貯金より高いリターンを期待できる一方で元本割れのおそれがあるとも説明しています。
つまり、新NISAは「何でも買っていいお祭り会場」ではありません。
非課税枠は貴重です。そこに短期テーマ株を入れる場合、次の点を考えたいです。
| 確認点 | 理由 |
|---|---|
| 長期で持てる銘柄か | 新NISA枠を短期売買で消耗しないためです |
| 暴落しても持てるか | 非課税枠内で含み損を抱えるリスクがあります |
| コア資産を圧迫しないか | FIRE資産の土台を守るためです |
| 期待だけで買っていないか | テーマの熱狂に飲まれないためです |
| 売却後の枠再利用を理解しているか | 制度運用を誤解しないためです |
新NISAで攻めること自体が悪いとは言いません。
ただ、FIREを目指すなら、新NISAの中心は長期で持てる資産に置く方が自然です。
モメチン枠を作るとしても、特定口座や小さなサテライト枠にとどめる方が管理しやすい場合があります。
モメチン投資を完全否定しない理由
ここまで危険性を書いてきましたが、私はモメチン投資を完全否定はしません。
なぜなら、「投資には楽しさも必要」だからです。
FIREを目指す投資が、全部つまらない修行になると続きません。
毎月同じ日に積み立てる。同じ投資信託を買う。同じ家計簿を見る。同じ節約をする。これだけだと、飽きる人もいます。
少額の個別株。テーマ株の観察。決算後の値動き。チャート分析。株主総会。配当金。こうしたものがあるから、投資を続けられる人もいます。
問題は、「楽しみが本丸を壊すこと」です。
趣味の釣りで家計が破綻したら困ります。趣味の旅行で老後資金が消えたら困ります。
同じように、趣味のモメチン投資でFIRE資産が壊れたら困ります。
| モメチン投資の扱い | 考え方 |
|---|---|
| 完全禁止 | できる人は強いですが、投資が退屈になる場合もあります |
| 資産の一部で楽しむ | 現実的な落としどころです |
| 生活資金まで投入 | 危険です |
| 新NISAの主力にする | FIRE目線では慎重に考えたいです |
| ルールなしで全力 | 最も危ないパターンです |
モメチン投資をするなら、「遊び」として自覚することです。
これは本命ではない。これはFIRE資産の主力ではない。これは自分の投資欲を満たす枠である。
そう割り切れるなら、少額で楽しむ余地はあります。
モメチン化を防ぐためのマイルール
FIREを目指すなら、モメチン化を防ぐマイルールを作っておくべきです。おすすめは、次のようなルールです。
| マイルール | 目的 |
|---|---|
| 急騰当日は買わない | 勢いだけの成行買いを防ぎます |
| 買う前に決算短信を見る | 業績を確認します |
| 資産全体の上限を決める | 集中投資を防ぎます |
| 損切りラインを決める | 下落時に固まらないようにします |
| SNSだけを根拠にしない | 雰囲気投資を避けます |
| 買った理由をメモする | 後で検証できるようにします |
| 生活防衛資金は使わない | FIRE計画を守ります |
特に大事なのは、「急騰当日は買わない」です。これはかなり効きます。
翌日になっても買いたいか。週末になっても買いたいか。決算を読んでも買いたいか。チャートを冷静に見ても買いたいか。これを確認するだけで、かなり無駄な飛び乗りを減らせます。
投資で大事なのは、買う勇気だけではありません。「買わない勇気」です。
独身おじさんの心のチンパンジーとの付き合い方
最後に、少しだけ精神論です。投資をしている限り、心の中のチンパンジーは消えません。
- 上がっている株を見ると興奮します
- 他人の爆益を見ると悔しくなります
- 自分だけ取り残された気がします
- 積立投資が地味すぎて嫌になります
- 仕事を辞めたい気持ちが強いと、一発逆転を狙いたくなります
これは普通です。問題は、チンパンジーがいることではありません。
チンパンジーに証券口座のパスワードを渡すことです。
心の中で騒ぐのは仕方ない。でも、「注文ボタンを押す前に人間に戻る」。このワンクッションが大事です。
独身おじさんのFIRE計画は、勢いだけでは作れません。
地味な積立。生活費の管理。保険の見直し。税金の確認。社会保険の理解。暴落時のメンタル。退職後の現金。
こういう地味なものの上に成り立ちます。
モメチン投資は、その上に少し乗せるスパイスです。主食にしてはいけません。
まとめ|モメチン投資は遊撃部隊、本丸はFIRE資産の安定運用です
モメチン投資は、面白いです。上がっている株に乗る。テーマ株に乗る。AIや半導体の波に乗る。短期間で含み益が増える。これは、投資の楽しさの一部です。
でも、FIREを目指すなら、モメチン投資を主役にしてはいけません。
モメンタム投資には一定の考え方があります。しかし、ルールのないモメチン投資は、ただの衝動買いです。
上がっているから買う。SNSで盛り上がっているから買う。置いていかれたくないから買う。仕事を早く辞めたいから買う。この状態は危険です。
FIRE資産に必要なのは、「再現性」です。
- 長期で続けること
- 生活防衛資金を守ること
- 新NISAを計画的に使うこと
- 個別株は分析して買うこと
- 高値掴みを避けること
- 損切りや撤退条件を決めること
- 資産全体の中で上限を決めること
モメチン投資をするなら、資産の一部。サテライト枠。失っても生活が壊れない範囲。
買う前にチェックリストを通す。SNSではなく、自分のルールで判断する。このくらいが現実的です。
独身おじさんの心の中には、いつも少しだけチンパンジーがいます。
AI株が上がると騒ぐ。半導体株が上がると騒ぐ。爆益報告を見るとドラミングする。「今買え」と叫ぶ。
でも、FIREを目指すなら、そのチンパンジーを完全に消す必要はありません。
檻に入れて、たまにバナナをあげるくらいでいいのです。
本丸は、FIRE資産の安定運用。遊撃部隊が、少額のモメンタム枠。
生活防衛資金は絶対に守る。新NISAの長期枠は崩さない。決算とチャートを確認する。買わない勇気を持つ。
これが、独身おじさんがモメチン相場と付き合う現実的な作戦です。
勢いに乗ることは悪ではありません。でも、勢いに飲まれることは危険です。
モメチン投資は、FIREへの近道ではありません。
うまく使えばスパイス。使い方を間違えれば、資産形成を壊す爆弾。
この距離感を忘れずに、心のチンパンジーと付き合っていきたいところです。
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