FIRE計画迷走中の読書日記、4巻目は『べつに怒ってない』(武田砂鉄 著)です。
本作は、社会やメディアの当たり前に静かに疑問を投げかけるエッセイ集。
日経MJの連載から厳選された123本を収録しています。
気になる書き手、武田砂鉄
普段は小説ばかり読んでいる独身おじさんですが、
以前から気になっていた“武田砂鉄”という書き手。
「どんな人なんだろう?」と思い、久々にエッセイに手を伸ばしました。
日常の些細な出来事から違和感をすくい上げ、そこに「これってどうなの?」と問いを置く。
善し悪しを断定せず、読者に考えさせる距離感が心地よい。
ナンシー関のファンを公言しているだけあって、その系譜を感じさせる観察力と切れ味。
123本あっても、するすると読めてしまいます。
するすると読める、けれど胃もたれする
読めます。読めますが……ちょっと胃もたれする。
収録されているエッセイは、当然ながら武田砂鉄の原理原則に基づくもの。
いわば「同じ角度からの鋭いボール」が、次々に投げ込まれる構造です。
最初は気持ちよく受け止められる。
でも、それが立て続けに続くと、最後は「もうお腹いっぱいです」と苦笑いしたくなる。
珍しい石は、2~3個くらいがちょうどいい
河原で拾ってきた石を集めるのが趣味のおじさんが、
「こんな珍しい石を見つけたよ」と見せてくれる。
2~3個なら素直に楽しめる。
でも、いくら珍しくても123個並べられたら、さすがに飽きる。
エッセイとのちょうどいい距離感
エッセイは、忘れた頃にまた雑誌で出会い、また面白いと思い、また単行本を買い、
そしてまた飽きる。
そう考えると、悪くないサイクル。
武田砂鉄が123個の珍しい石と、
自分が見つけた石を比べてみるのも、また一興。
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