FIRE計画迷走中の読書日記、3巻目は『さよならに反する現象』(乙一 著)です。
本作は、『GOTH』や『ZOO』などの代表作を持つ乙一の作家生活25周年を記念した短編集。
書き下ろし4篇を含む全9篇を収録。
25周年の乙一と、自分の25年
独身おじさんと同世代の乙一が作家生活25周年なんて、それは自分も年をとるはずです。
2002年~2006年に放送されていた、爆笑問題が作家をゲストに迎えトークする番組
「爆笑問題のススメ」で乙一をはじめて知って以来、ずっと作品を追い続けてきました。
乙一の話す「鬱屈した中学・高校生活」、「数少ない楽しみは伊集院光のラジオ」などの
エピソードトークは、全国数十万人の陰キャがシンパシーを感じ、
その中の一人が独身おじさんなのです。
陰キャだったあの頃と『暗いところで待ち合わせ』
それ以来、過去作を読み漁り、新作が出れば必ず買う。
『暗いところで待ち合わせ』なんて、陰キャがピークに達していたおじさんにぶっ刺さり、
白乙一、黒乙一どちらも好き。
別名義の「山白朝子」、「中田永一」の作品もチェックする、いっぱしのファンのつもりです。
そんな乙一の作家生活25周年記念作品となれば、読むに決まってますよと即購入したわけですが…
刺さらなかった…変わったのは作家か、自分か
正直言って、面白くない…
どの短編も乙一ではあるけど薄い。
乙0.4。
思い出補正がかかってるとはいえ、かなりガッカリしてしまいました。
ここ数年の作品を読んで、うっすら気付いていたけど、とどめを刺された感じ。
会話にも話のオチにもエッジが効いてない。
おじさんが変わってしまったのか、乙一が変わってしまったのか。
触るだけで壊れてしまうような儚い感情を紡ぎだすことは、おじさんにはできないのか。
いや、乙一にはできているけど、年をとった自分には理解できなくなってしまっているのか。
あの頃は刺さった言葉が、今は刺さらないのか。
変わったのは作家か、自分か。それとも、時間そのものか。
過去作を読み返すことも怖くてできない…
これからも追い続けるけど辛い。
別の意味で泣けた作品です。



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